新卒の“魔法少女”を募集。人手不足の「ベンチャー魔法少女企業」の行く末は
かつての自身のメモが役立っている
――魔法少女というファンタジー要素とリアルなビジネス描写を両立させるために工夫していることはありますか?
岩田:ビジネスシーンにおいて、誰にでも思い当たるようなエピソードを入れるようにしています。私自身がさまざまな会社さんと接点を持つ仕事をしていたので、日々の仕事の中で思ったことなどを日記やメモに書いていたものが、アイデアの元になっていますね。
――「仕事」というテーマを描くにあたって、どこに面白さを感じますか?
岩田:一人ひとりが持っている仕事の哲学を描けるのはとても楽しいです。世の中の会社は皆それぞれに違った理念や働き方を持っています。それらの中でただ1つだけが正しいということはありません。売上という意味での勝ち負けはあっても、経営理念の勝ち負けは簡単に一蹴できないと考えています。
就活生から手紙が届いた
――岩田さんご自身が仕事に取り組む際に意識していることがあれば教えてください。
岩田:ネームを始めアウトプットしたものを、人に渡す際にできる限り疑問点が出ないように、単語選びや説明を丁寧にするよう気をつけています。最近はZoomでの仕事が多くなり、作画の青木さんとも直接会って雰囲気などを交えた意見交換ができなくなってしまいました。
それが楽な一方、独りよがりなコミュニケーションになる恐れもあるので、例えば「作画がすごく良かった!」とか、「仕事が早くて本当にありがたい」というような言葉はできる限り伝えるようにしています。青木さんの作画は毎コマ本当に最高なので、全然伝えきれていませんが……。
――読者からの『マジルミエ』に対する反響で印象に残っているものはありますか?
岩田:今現在、就活をしているという方からお手紙を頂いたことです。社会に出れば、大変だったり理不尽だったりすることは少なくないはず。『マジルミエ』を通してそういった方々を少しでも勇気づけられる仕事哲学を届けられればと思います。
<取材・文/日比生梨香子 編集/ヤナカリュウイチ(@ia_tqw)>
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