統一教会問題で知るべきカルトの勧誘手口。対策弁護士に聞く「特徴は5つある」
カルト勧誘の特徴は5つ
――カルトの被害にあわないためにはどうすればいいでしょうか。
阿部:カルトの勧誘の特徴を覚えておくといいかなと思います。1つは、即断即決を迫ることです。「今ここで決めてください」と即断即決を迫ってきたら怪しいと思ったほうがいい。問題のない宗教や団体なら即断即決を迫る理由はないですから。
2つめは口止めをすること。教義を教え込む前に家族に相談されてしまうと逃げられてしまいますから、多くの団体で口止めします。たとえば統一教会の場合だと「これはあなたの真理、あなたが真理を理解するまでは、家族に言っちゃだめ。家族に言うと、せっかく真理を知ったのに台無しになります」などと言って、口止めをするんですね。
3つめは、途中で小さなウソや違法行為が入ってきます。例えば、一泊二日の研修に行くのに「友だちのところへ行く」とウソをつくように指示したり。4つめは、やけに親切で、すごく褒めてきます。すごく親切にされると、相手からのお願いが断りづらくなりますし、褒められて肯定感が高まると気持ちがいいものです。こうして心の中に入り込んでくるんです。
5つめは、活動内容が最初に説明してたことと違ってくることです。最初はSDGsのはずだったのに、だんだん違うことをやらせ始めたり。目的は信者にさせることですから、活動内容が最初に説明を受けたことと違ってきたら、注意が必要かなと思いますね。
「信仰の自由」があるのに信じるのは問題?
――「宗教の自由」という権利がありますから、カルトに大金を献金したり、信者になることはなにが問題なのでしょうか。
阿部:正体を隠して宗教に勧誘すること自体が憲法で保障された「信仰の自由」を侵害しています。人が、ある宗教を信じることは、神といった超自然的な存在を確信して、それを崇拝し、その教えに帰依することです。自分の人生を決める上で入信は重大な決断です。
だから勧誘の最初に、それが宗教であること、そしてそこがどういう教義活動を行うかを知った上で判断しなければいけないんです。宗教だと知らされないまま教義を教え込むのは、「その宗教を信仰しない」という自由を侵害することになります。そういうものを、正体を明かさないまま教え込んで教徒にしてしまうのは非常に問題があると思います。