「人生の99%はうまくいかない」元幹部自衛官が明かす、それでも立ち上がる意味
「強くなろう」という考えは捨てよう
大きな失敗を一つでもすると「失敗したから自分はダメだ」と自分のことを「一生ダメなやつ」と考えてしまいがちです。すると「シラフじゃ現実を見ることができない」とアルコールに頼るようになり、大きな失敗の記憶を一生抱えたまま生きることになりかねません。
すると心も身体にボロボロになり、本当に再起不能になってしまいます。こうなると美しくもないし、人生に煌めきもありません。
また、「強くなろう」「立派になろう」という考えも、できる限り捨てたほうがいいと思います。心の柔軟性がなくなるからです。そもそも、「強くなろう」「立派になろう」は基準が曖昧すぎます。
たとえば「腕立て100回できるようになる」といったように、具体的な目標ならいいですが、「強くなる」という曖昧な目標設定だと基準値やゴールが見えません。さらに「弱音を吐くヤツはダメ」という発想になりがちなので、自分に噓をついて無理を重ねて倒れることになります。
「今日は帰るわ」と帰るのが強い人
私は自衛隊時代にそういう人たちをたくさん見てきました。一般の方よりも肉体的に強く、精神的にタフな人たちでさえ倒れるのですから、本記事を読んでいる方は強くなることを目指さないほうがいいでしょう。
自衛隊で本当に強い人たちはどういう人かというと、柔軟で弱さを受け止められる人でした。自分で考え、「今日は調子が悪いから帰るわ」とさっさと帰る人が強い人たちでした。彼らは「強くなりたい」「立派になりたい」と特に考えているわけではなく、結果として「彼らは強い」と周りから言われていました。
このように私たちが世の中を乗り越えていくためには、「必ず失敗する」と「自分は弱い」ということをよく理解して、心の柔軟性を大切にする必要があるでしょう。
<TEXT/ぱやぱやくん>