自衛隊の幹部候補生学校で学んだ、死ぬほど辛い時に守りたい「3つの習慣」
自衛官の経験で一番役に立ったのは
経験もないので業務をうまく進めることができず、夜遅くまで職場に残って業務計画を立てていました。当直や演習、災害派遣に対する即応態勢維持となると全く休みなく働く期間も増えるようになっていきました。加えて、中隊長からダメ出しをもらい、部下隊員からもポンコツ扱いされるので、やはり精神的には辛い時期だったと思います。
振り返れば周りの方たちは「新人幹部を育てよう!」という気持ちで私に接していたなぁと思います。しかし、プレッシャーを強く感じていた私はそこまで考えが及ばなくなっていたのです。
ただ、私には得意なことがありました。それは「自分は仕事ができない」「自分は弱い」ということに気がついていたことです。器用にあれこれできないからこそ、どうすればいいのかを知っていました。
たとえば「自分が優秀じゃないから、ベテラン陸曹に頼る」「わからないことはバカにされても聞く」など「自分は弱いし、できないからどうしよう」というポイントを踏まえて進めていきました。自衛官の経験で一番役に立った経験は「自分だけではどうしようもない。だから、誰かに頼ろう、相談しよう」ということでした。
栄養をしっかり摂って、できる限り寝る
また、どんなに辛い時でも「栄養はしっかり摂る」「できる限り寝る」ということを意識しました。厳しい時期になると、「ストレスで食欲がなくなる」ということが往々にしてありますが、気持ちが落ち込んでいる時こそ食事をとりました。またお酒は飲まずにできる限り、すぐ寝ることを意識したのです。
この二つさえ意識をすれば、朝起きて「最悪な気分」でもとりあえず仕事はできますし、身体は壊しません。人間は身体さえ壊さなければ、立ち直ることができるので、この軸だけは絶対に守りました。
さらに辛い時は防大の同期や旧来の友人によく電話をしました。当時の私は縁もゆかりもない土地での駐屯地勤務で、孤独を感じることがよくあったので、ここは意識しました。もし「自分は防大卒だから、弱音なんて吐けない」と強がっていたら一発で潰れていたでしょう。