ほとんど影響ないのに…飛行機で「スマホを機内モード」にしなければいけないワケ
スマホを機内モードにする理由とは?
現代の日常生活に欠かせないアイテムといえば、スマートフォンや携帯電話、タブレットなどのモバイル端末が真っ先に思い浮かぶ。電話をしたり、メールをしたり、わからないことを調べたり……。プライベートでも仕事でもモバイル端末が使えないと困ってしまうが、飛行機で使う際にはいくつかの制限が課せられる。
歴史をさかのぼると、かつては機内でのスマホや携帯の使用は完全に禁止されていた。飛行機は管制塔との通信や衛星から届く電波などで飛行中の位置を知り、目印のない空を目的地に向かって飛んでいくが、スマホなどから発せられる電波が通信の邪魔をすれば(電波干渉)、正常な運航ができなくなってしまう恐れがある。
そこで国土交通省は、2007年に飛行機内で電波を発する電子機器の使用を禁止したのだ。しかしその後、電波干渉の影響が少ないことが明らかになったこともあり、2014年に規制緩和がなされる。その結果、モバイル端末が機内で常時使用できるようなったのである。
影響が少なくてもオフにしなければいけない
ただし、無条件で使用できるわけではない。たとえばスマホや携帯電話など通信機能を備えた機器の場合、飛行機外に無線通信を発しない機内モード(オフラインモード、フライトモードなど)にしておく必要がある。
機内モードにすると、データ通信やWi-Fi、GPS機能、ブルートゥース機能などは使えなくなる。つまりインターネットの検索、メールの送受信、通話、オンラインゲームといった機能が利用できない。それでも電源を切っているわけではないので、ダウンロードした動画や音楽を視聴したり、カメラで写真を撮ったり、オンラインでないゲームをプレイしたりはできる。
さらに最近では、機内でのWi-Fiサービスを提供している航空会社もある。機内モードをオンにしたままWi-Fiにつなげば、インターネットの検索やメールの送受信、動画視聴などができるし、ブルートゥースにつなげばワイヤレス機器も利用可能だ。
LINEやSkypeなどの音声通話も理論上は利用できるが、スマホや携帯電話での通話と併せて基本的に禁止されている。なんにせよ、航空会社の指示に従って使用することだ。
<TEXT/エアライン研究会>