「ひろし」は救世主だった。“ゆかりシリーズ”の三島食品に聞いた、独自の哲学
世界でコメ食需要が高まる一方、日本ではパン食人気に押されて、コメの消費量は減少の傾向にある。農林水産省によれば、1962年の1人あたりコメ消費量は、年間118kgがピークで、2020年には50.8kgと半分以上も減少した。
白米のお供でもある「ふりかけ」も共倒れになっていると思いきや、そうではなかった。2022年1月、富士経済ネットワークスがまとめた「ふりかけの国内市場動向(調査対象期間2017~2021年)」によると、市場規模が約520億円だという。コロナ禍だったこともあり、やや微減しているほどのようだ。
ふりかけ市場を支えているのは、丸美屋食品工業や永谷園、三島食品の3大企業である。今回は、その独自のネーミングがSNSで話題になった混ぜごはんの素「ひろし」について、三島食品株式社会広報・長井友美氏に取材した。
本当は「ひろこ」にするつもりだった
三島食品は「ゆかり」や「あかり」など、女性の名前をつけていることで有名だ。しかし、2021年2月に販売した「ひろし」は、男性名だということでSNSでも話題になった。ひろしは広島菜を使った混ぜごはんの素。なぜここにきて男性の名前になったのだろう。
「会議では『ひろこ』の名前でいくと決まっていたのですが、社長のなかでしっくりきていない部分があったようです。やはり“ひろしまな”なので、ひろしのほうがしっくりくるということで急遽変えたんです」
男性名だけ由来が安直なのはなぜ?
じつは、ひろしの後に続く「かつお」も販売されており、新しい兄弟ということになる。
「今後もこのシリーズを増やしたいなと思っているのですが、弊社はふりかけの中身にもこだわっています。いい中身の商品ができたら、という感じになります。ふりかけの新商品は通常では春夏、秋冬の年2回発売になるんですが、この秋冬にはこのシリーズの新商品は出していません」
1つの商品を生み出すための期間は「1年以上かかります」とのこと。