「え?スマホから教えるんですか?」上司のLINEデビューを手伝う部下の苦悩
そもそも店長がLINEを始めた訳
翌日、優斗さんが出社すると、店長が申し訳なさそうに「ごめんね、劣等生で」と謝ってきたそうです。普段の店長は決断力もあり頼れる上司で威厳もあるのに、その店長が真剣な眼差しで素直に話を聞いている姿が優斗さんには少し可哀想にも思えてきたそうです。
そして店長はさらに、「実はさ、LINEは仕事でも使いたいんだけど、それよりも孫とLINEしたくってね……」と孫娘とのLINEをしてみたかったという理由を伝えてきました。
それを知った優斗さんは「まあ、焦らずゆっくり教えていこうと思いました。そしたら、後数ヵ月後には、店長のメッセージにもようやくまとまりが出てきたんで、内心嬉しかったです」と語ります。
ふところの大きい店長にホロリ
そんなある日、優斗さんは不注意でリビングに飾るガラス製の置き物を壊してしまったそうです。「店長にひたすら謝罪し、壊した商品の買取りを申し出ました。でも、店長は『いいから』首を横に振ったんです」。
申し訳ない気持ちで落ち込みつつ優斗さんが帰宅すると、店長からLINEのメッセージが届いたそうです。「誰だって失敗するんだから、必要以上に気にしなくていいんだよ」「僕も優斗君にはLINEでいつも許してもらっているからね」といったものでした。
読みやすい文量の優しいメッセージに優斗さんは心が温かくなり思わず泣いてしまったといいます。「さすがは店長で、この頃になるとLINEの使い方も随分上達していたんです。この出来事で、これからも店長の下でこの仕事を頑張っていこうと思いました」。
これからも、教えあい許しあえる関係が続くと良いですね。
<TEXT/ベルクちゃん>
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