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“奴隷同然”はホント?「マグロ漁船」の現実を発信する“船主協会TikTok”の想い

ビジネス

いったん帰国したり、外国の港に寄港する

 また、出港したら、10か月間まったく船から降りられないということもないという。

「最近は、4か月でいったん帰国して、10日休んでまた航海に出る船もあります。さらに、数か月に1度は外国の港に数日間寄港します。うちはインド洋に出る船が多いので、バリ島に行って飲んだり遊んだり、観光したりして過ごします。宴会は会社の経費で出ることもありますよ」

 長い航海を終えて帰国すると、そこから丸々2か月間が休日になる。社会人でこれほど長期の休みを取れる仕事はそうないので、時間を贅沢に使う船員も多いのだそう。

退職者が戻ってくることも

宮城県北部船主協会

「例えばバイクで日本一周をする人もいますね。その期間も給料は出るので、これでもかと散財する人もいるようです。いったんは漁師を辞めて陸上の仕事をはじめた人も、充実感の大きな漁船の仕事と、思い切り楽しめる長期の休みを求めて、また戻って来たりすることもあります」

 労働環境は改善されていたとはいえ、大きな覚悟が必要な仕事ではある。しかし、他では味わえない充実感があることも確か。人生の価値観をどこに置くかによっては、非常に魅力的な仕事と言えるだろう。

<取材・文/Mr.tsubaking 編集/ヤナカリュウイチ(@ia_tqw)>

Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も
Twitter:@Mr_tsubaking

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