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月収25万円のはずが…高級クラブで「強欲なママ」に苦しめられた日々

コラム

タクシー代も抜け目なく回収しようと…

ケチなママ

 新規客を増やすために「外に飲みに行って客を作ってくるように」と助言されていたといいます。

別に経費が出るなら構いませんが、もちろん1円も出ることはない。現実的に考えて、週5出勤して月収20万円前後のホステスが外に飲みに行く余裕なんてないです。自分の新しいドレスを買うだけでいっぱいいっぱいだったのに」

 じゅんさんが辞めるキッカケともなったのはある日のアフターの1件でした。

「アフターの帰り際、お客様が『今日はありがとうね』とタクシー代として私達に3万円をくれました。お礼をして帰ろうとしたら、ママが私たちのもらった3万円を無理やり奪って3000円に交換したんです。『この子らは近所なんで』と満面の笑みを浮かべながら……」

別の店で働いたら待遇の違いにびっくり

 当然、お客は激怒したそうですが「こんなにあげる必要はありません! これは店の売上にします!」と言い返したんだとか。

「お客様も全然引かず3万円を2人で引っ張り合うという地獄絵図に。最終的にお客様が『これは俺のカネだぞ! 誰に渡すか俺の自由だろ! 彼女たちに付き合ってもらったお礼だよ!』と怒鳴ったんです。さすがにママもシュンとして1万円くれましたが、翌日散々嫌味を言われて最悪でした。

 さすがに『もうここで働いてもしょうがない』とバックレてやりましたよ。少し給料は損したけど辞めて良かった。ママは『この店を辞めたら2度とこの街を歩かせない』と他の子が辞めるときに脅していたので、私は違う地域で働くことにしたんですが、給料も待遇も全然良くてビックリしました(笑)。アフターに行けば必ずタクシー代はもらえるし、残業代もつきました。いかに最初の店が異常だったか思い知りました」

 その後、コツコツ貯金をし、自身でお店を開いたじゅんさん。「常に女の子の働きやすさを考えています」と晴れやかな表情で語っていました。がめついママの存在が反面教師になったようで何よりです。

―特集[本当にあったブラック職場]―

<取材・文/吉沢さりぃ イラスト/カツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>

ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。近著に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)がある。『日刊SPA!』『BLOGOS』などで執筆。趣味は飲酒
Twitter:@sally_y0720

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