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じゃがいも不足が直撃「スナックメーカー」3社。海外に熱い視線を送る今

ビジネス

土産品需要と現地向け商品に期待

 2022/3期のカルビーは新たに「収益認識に関する会計基準」を導入しており、これまで費用換算していた項目を売上高の減少分に加えているため注意が必要です。

 国内ではじゃがいも不足によってスナック菓子の売上高が64億円分減少しましたが、さつまいもなどを含む「その他食品」の売上高が大きく伸び、全社売上高は前年と同じ水準となりました。海外は依然好調が続いたようです。なお、利益面では食用油などポテチ生産に欠かせない原料の価格が高騰し、営業利益が大幅に減少しました。

 近年の業績を見ると、国内が昨年から頭打ちとなっている一方、海外事業の好調がうかがえます。同社は国内事業の今後について価格改定・サイズ変更で原料コストに対応するほか、土産品需要の回復に期待するとしています。海外事業については国内で展開する既存ブランドに加えて現地向けに開発した商品を強化し、拡大を続けるようです。

亀田製菓:インド・中国でも柿の種を販売

亀田製菓

 亀田製菓といえば「亀田の柿の種」「ハッピーターン」「ソフトサラダ」を主力とする米菓メーカーです。おせんべいのような米菓は日本国内でしか見かけませんが、新たな需要獲得を狙って同社も海外に進出しており、2022期における海外事業の売上高は91.8億円にのぼります。特にインド・中国では商品名を変えつつも日本と同じような柿の種を販売し、北米では子会社を通じて米粉・全粒粉由来のクラッカーを販売しています。2019/3期から2022/3期までの業績は次の通りです。

【亀田製菓株式会社(2019/3期~2022/3期)】
売上高:1000億円→1038億円→1033億円→852億円
営業利益:53.4億円→58.1億円→56.2億円→48.6億円
最終利益:44.0億円→44.6億円→47.6億円→44.3億円
国内米菓事業:803億円→833億円→817億円→824億円
海外事業:71.2億円→78.9億円→96.1億円→101億円

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