「絶対に解散だと思った」天津・向清太朗が回顧する、“岩手移住”した相方からの告白
原作、ネタづくりで大切にしていること
――そして今回、向さんにしか作れない『推しの彼女の成り上がり』が生まれたわけですね。
向:そうですね。あと、1人で全部やっているわけではなくて、担当編集の方、作画の方、作画の編集の方など、いろんな方が作品に携わっているので、自分らしさを出しながらも、ほかの方の意見も素直に落としこんでいます。
天津としてコンビ活動するときも、相方(木村卓寛さん)の意見をよく聞いていたので、人の意見を聞くのは苦じゃない。だって、作品に愛があるからこそ、(相手は)よくしようと思って言っているに決まっているじゃないですか。
――コンビの時は木村さんの意見も取り入れていたんですか?
向:ボケの僕がネタを作っているのですが、相方がOKを出さなかったらやりませんでした。この漫画に対しても、当然譲りたくないものはあるんですけど、“話を聞く”ということは大切にしていますね。
「絶対解散や」と思った相方からの相談
――現在、そんな相方の木村さんは岩手に在住。土曜朝の生放送のレギュラーを持つなど順調に活動されています。離れて活動する中で、相方さんに対する思いは変わっていきましたか?
向:そもそも、今から約1年半前に「会って話できるか? 相談したいことがあんねん」と言われたときに、絶対解散やと思ったんですね。だから、十何年ぶりにファミレスで2人っきりで会い、いきなり「……岩手に住むことになったわ」と言われたときは笑ってもうたんですよ。
岩手の番組からオファーがあったとき、(木村さんが)ヒロミさんの運転手をしていたので報告したら「土曜日の朝の生放送をやらせてもらえる機会なんてない。東京から通いで岩手の方の心をつかめるのか? 岩手に住んだら、地元の方も本気を感じて応援してくれるよ」とおっしゃってくれたらしくて。
その言葉もあって住むことにしたらしいんですけど、僕は“相談”だと思って来たのに、決定事項を言われただけ(笑)。でも、芸人が40過ぎてから岩手に移住するって生き様として面白いじゃないですか。