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推定年収518万円の「電車運転士」。新幹線と在来線でいくら違うか

暮らし

新幹線にタダで乗れるうらやまし~い人は?

新幹線

 1本の新幹線に乗務する乗務員の人数や交代するタイミングは、各列車によって決められていることをご存じだろうか。たとえば現在、東海道新幹線では、どの列車も運転士は1名である。運転交代を行なうタイミングも決まっていて、「のぞみ」「ひかり」の400番台(400号~499号)では、東京~新大阪間を1名が通しで運転するが、「ひかり」の500番台とすべての「こだま」は、名古屋で交代することになっている

 車掌についても決まりがある。かつては一般的な16両編成では3名が基本だった。車内を回って改札する乗務員、ドアの開閉など運転業務に携わる乗務員、そしてその車両すべてを統括する乗務員である。

 しかし近年、指定席の車内販売が廃止されたり、防犯カメラの設置が進んだりして負担が減ったことから、2018年より2名体制が基本となった。このように厳密に決められているはずの乗務員数だが、ときどき例外がある。運転室にもう一人運転士が乗ることがあるのだ

運転室に便乗する人のほうが多い

 この点について、JR西日本の広報部によると、「便乗」といって、運転士が移動手段として新幹線を使うことがあるのだという。たとえば、東京から新大阪まで臨時列車を運転したものの、翌日が休みだったり、早朝に東京発の乗務が入っていたりした場合、どうしてもその日じゅうに東京に戻らなければならない。そんなときに、この便乗が行なわれるのだ。

 さらに新幹線の運転士だけでなく、在来線の運転士が移動のために新幹線を使うこともある。ほかの列車が大幅に遅延したとき、遅延列車に乗務する運転士を少しでも早く移動させる必要がある場合などだ。運転室には補助椅子が用意されており、ほかの運転士の運転を見学しながら移動することになる。

 便乗だけなら車掌のいる乗務員室でもよさそうなものだが、車掌はアナウンスをしたりホームに出たりと、乗務員室内を頻繁に動くことになる。そのため、運転室に便乗しなければならないという決まりはないものの、車掌の邪魔にならないようにという気遣いからか、運転室に便乗する人のほうが多いという。運転のためではなく、移動のために乗るのであって、業務上の扱いとなるので、もちろん無賃である。

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