部下が生まれ変わる「1対1の関係」のコツ。知っておきたい4つのポイント
安心感醸成:部下の話を最後まで聞く
【安心感醸成】
ミーティング中に上司が部下の話を最後まで聞かなかったり、うわの空でいたりすると、部下の心には、「この人は自分のことを考えてくれていない」という不信感が生まれます。そうならないように「安心感を醸成」しなければならないのです。
たとえば、部下が自分の抱える課題について話し始めたとします。上司からしてみれば、自分のほうが知識も経験も豊富ですから、往々にしてどうすればいいかの答えが見えてしまうことがあるでしょう。
そこでつい、「あ、それ、自分も経験したよ」「アプローチが間違ってるんだよ」「そこでストップしないで、こうすれば解決できるよ」などと言いたくなってしまうのです。しかし、それはすべて、その上司の時代に、その上司が置かれた立場での正解であって、部下にとっての正解とは限りません。
こうなると部下は、「自分の話を最後まで聞いてもらえない」「上司の価値観で正解を押しつけられている」と感じます。そして心を閉ざし、本音を語ろうとはしなくなるのです。
共感:部下の感情はいったん受け止める
【共感】
「1on1ミーティング」では、部下の話を徹底的に聞く姿勢を持ち、部下の感情はすべていったん受け止めて、「共感」してあげることが大事です。たとえば部下が悲しんでいたら、「そうだったんだね、つらかったね」と悲しい気持ちを受け止めます。もし部下が喜んでいるのであれば、上司からすれば大したことではなくても、一緒に喜んであげるのです。
相手の感情にいったん寄り添うというのは、意外にできていない上司が多いものです。知識や経験の量が異なったり、お互いの意識構造が違っていれば、心から共感できないこともあるでしょう。しかし、そうした自分の感情を言葉や表情に表さないようにしないと、部下は否定された気持ちになります。
そして部下は、せっかく感情を表現したのに共感してもらえないと、「一緒に喜んでくれないなんて、感覚が違うのかな」「考えが違うなら、もう話すのをやめよう」と胸の内を明かさなくなります。「共感」して相手に寄り添い、その後でどうしたらいいかを一緒に考えていくというスタンスを崩さないようにしましょう。