特殊詐欺の主犯が「レンタル元受刑者」に。受刑者家族からの“相談”も
周りの人に嘘や隠し事をしたくない
元受刑者であることを公表して生きることはリスクが伴う。出所後の就職に障(さわ)りがあったり、世間から後ろ指をさされるのはもちろん、「レンタル元受刑者」という冠をつければ、それを“売り”にしているとも取られかねない。その点について、フナイム氏はどのような考えを持っているのか。
「元受刑者であることを隠していて、バレた時のほうが追い込まれると思います。現に世の中そのような形で追い込まれた方はたくさんいます。私は服役中に人に嘘をつかず正直に誠実に生きると決め、今に至ります。とにかく私とかかわってくれる方々に、嘘や隠し事をしたくないんです。『いつまで元受刑者やってんだよ』という中傷するような声もありますが、売りにしているわけではないですし、一生『元受刑者』なんです」
悪事に手を染めてお金を手に入れても…
最後に、犯罪に手を染めようとしている人に伝えたいことを聞いた。
「絶対にすぐやめるべきです。もちろん被害者の方がいるからというのが1番。詐欺に関して言えば、100万円が手に入れば500万円ほしくなるし、500万円が手に入ればもっとほしくなる……際限がありません。お金を求めていた時は、心の中にある穴がどうしても埋まらない感覚がありました。
逮捕前、輸入雑貨の販売をやっていたんですが、何時間も探し回って見つけた商品が売れた時の喜びのほうが大きいということに刑務所の中で気が付きました。悪事に手を染めてまでお金を追いかけても、心の穴は絶対に埋まりません」
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社会には、自身の犯した罪によって、大きな十字架を背負うことになった人もいる。しかしそれを単なる枷にせず、自分にしかできないことを追求していくことで、どんな人生にも生きる光明が見えて来るというメッセージを感じた。ただ、そこに被害者がいる以上、罪を犯さないことが何より大切であることは添えておく。
<取材・文/Mr.tsubaking 編集/ヤナカリュウイチ(@ia_tqw)>