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特殊詐欺の主犯が「レンタル元受刑者」に。受刑者家族からの“相談”も

ビジネス

「レンタルなんもしない人」がブームになるにつれ、自身の知見や特色を武器にする「レンタル〇〇」といったサービスをよく見かけるようになった。なかでも異彩を放つのは、特殊詐欺で実刑を受け、出所後に「レンタル元受刑者」として活動する人物

レンタル元受刑者

フナイム氏

 服役中に割り当てられていた称呼番号2716にならって「フナイム」@funaim5)と名乗る40代の男性だ。依頼される内容はどんなものなのか、そして気になる出所後の生活について直撃した。

便利屋として活動しつつ、相談も受け付ける

 まず、レンタル元受刑者はどんなことをしてくれるサービスなのか、フナイム氏は次のように話す。

基本的には便利屋です。飲食店や引っ越しの手伝いもやりますし、実は元お笑い芸人なので結婚式の司会を依頼いただくこともあります

 そうしたなかでも多いのが「相談に乗ってほしい」という依頼だという。あえて元受刑者に相談を持ちかける利用者は、何を求めているのだろうか。

「例えば、『実家にガサ入れが来て、僕に今、フダ(逮捕状)が出てます。どうしたらいいですか?』という相談がありました。他には、ある男性から『今、裁判中で負けると刑務所に入ることになる。刑務所に入る時に持参したほうがいいものや心構え、入ってからの生活で気をつけることを教えてください』という話もありましたね。

 誰しもそうですが、自分が刑務所に入るとなると、不安になるのは当然ですよね。なので、きちんと疑問に答えながらも、芸人の経験を活かして面白おかしく話をすることで少しでも不安を解消できるよう心がけています」

受刑者の家族からの相談も多い

刑務所 本

画像はイメージです

 逮捕されたり、刑務所に収監されるような経験は、ほとんどの人が持たない。悪縁巡って、そうした事態になれば誰しもが不安になるのは当然だ。それは、当事者だけではなく、家族も同じこと。フナイム氏の元にはそうした受刑者の家族からの相談もひきもきらない。

「ある女性から『捕まった旦那が、刑務所で何を考えているのかもわからないし、更生させるために何をしてあげたらいいかわからない』と切り出されました。僕は、服役中に本をたくさん読むなかで、自分が更生しなくてはいけないということがわかって来たんです。だから、僕が読んだ倫理や哲学の本や、仏教やキリスト教などの考え方が学べる本をご主人に送ることで、『気づいてもらうお手伝い』を提案しました

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