“国民的ヒーロー”になった元米国空軍准将が苦労して得た「学び」の正体
80代前半のようだが引き締まった肉体
「空軍では何をされていたのですか?」
「パイロットをしていました」と彼は答えた。
そう言われてみれば、彼はとてもパイロットらしいと私は感じた。年齢は80代前半のようだが、引き締まったスポーツ選手のような見た目と、自負にもとづいた落ち着きを感じられる人だった。
「何を操縦していたんですか?」と聞いてみた。
「まぁ、あれもこれもと少しずつ、という感じです」
「多才でいらっしゃるんですね」
「もしくは仕事が続かない男だっただけかもしれないですね」と彼は笑った。
私は彼の言葉に微笑んだが、話題を変えるべきか少し迷った。パイロットは、自分が飛行士の中でどの地位にいるかを気にすることがあり、もし彼が地位の高いパイロットでなければ、会話が気まずくなる可能性があったからだ。
静かな自信、穏やかな性格が築いた関係
その晩、私はこの初めて会った人物についての情報を少しずつ聞き出そうとしたが、チャーリーはあまり自分のことを話したがらないようだった。それよりも、彼は私や私の家族について興味を持ってくれた。空軍に入隊した息子のことや、他の二人の子どもの話をたくさん聞いてくれた。チャーリーは、私と妻が結婚40周年を迎えたことにとても感心していたが、彼が妻のドッティをとても愛していて、彼らのほうがもっと長く結婚生活を送っていたことは明らかだった。
彼は、私の海軍でのキャリアについても質問してくれたが、実はチャーリーは空軍に転属する前に海軍兵学校に通っていたことがわかった。デザートが運ばれてきた頃には、私はもうすっかりチャーリーと親しくなった気になっていた。彼の静かな自信、穏やかな性格、そして私と私の家族への純粋な関心が、通常何年もかけて築かれる信頼関係を一瞬で築き上げてくれていた。
また、彼は私の父によく似ていた。彼は快活で、笑い上戸で、テーブルにいる誰に対しても非常に礼儀正しい人だった。しかし、この食事会の間も私はチャーリーの苗字を聞くことができなかった。食事会が終わり、みんなが席を離れる際に、私は立ち上がり、素晴らしい夜を過ごせたと隣の席のチャーリーとドッティに感謝を伝えた。二人は、私と妻のジョージアンをニューブラウンフェルスで一緒にバーベキューをしようと誘ってくれた。私はぜひいつか行ってみたいと思った。