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コロナ苦境のタクシー業界「大幅な売上減から人手不足に」運転手が語る現状

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 新型コロナウイルスの影響で多くの業界が激動の時代を迎えている。なかでもタクシー業界は、2022年6月に公開した「全国ハイヤー・タクシー連合会 経営支援要望書」で「(売り上げは)コロナ禍前と比べて平均で約4割減で推移」し、「今や正に存亡の危機に瀕して(いる)」と窮状を訴えるほどだ。

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※画像はイメージです

 人出が途絶えた街ではお客さんを乗せることもできず、会社の売上はもちろん、タクシードライバー個人の収入も大幅に落ち込んだ

「一時は売上が5分の1以下になったこともありましたね」。そう語るのは、北海道札幌市近郊でタクシー運転手として働いている佐藤孝幸さん(仮名・66歳・タクシー歴14年)。現在は徐々に人が戻ってきているというが、コロナ禍の当時、どれだけの苦境に立たされたのだろうか。当時のタクシー業界の実体験を話してもらった。

緊急事態宣言で街から人が消えた

 2020年初頭から世界中で猛威を振るい始めた新型コロナウイルスは、日本でもあっと言う間に広がり、政府は2020年3月13日に新型コロナウイルス対策の特別措置法を成立させた。

 佐藤さんのいる北海道は、4月7日から緊急事態宣言の対象となっていた7都府県と、茨城、石川、岐阜、愛知、京都の5府県と共に、特に重点的に感染拡大防止の取り組みを進めていく必要性のある「特定警戒都道府県」に位置づけられた。

「緊急事態宣言の最中は、お店も開いていないので、夜8時を過ぎるとぱったりと人出が途絶えました。タクシー業界は基本的に夜が稼ぎ時なので、夜8時以降に人出がなくなると、売上に大きく響きます」

1日の売上が5分の1以下に

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タクシー運転手として働いている佐藤孝幸さん(仮名)

 具体的な数字を尋ねると「1日の売上平均は2000円~3000円でしたね」と佐藤さんは語る。

「コロナ前は1日平均1万5000円前後の売上だったので、5分の1以下まで落ち込んだことになります。これは私だけの話ではなく、他の従業員も同じでした」

 夜8時を過ぎるとほとんど客を乗せられない日々が1~2週間ほど続いた頃、ついに会社から営業時間の短縮を言い渡された。

「それまでは15時~翌午前1時まで営業していましたが、夜8時を過ぎたらもう帰社していいと会社に言われました。お客さんを求めてあちこち走り回った結果、事故を起こされるよりいいという判断ですね」

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