寿司が1貫59円から!一大勢力を築く「寿司居酒屋チェーン」独自の出店戦略
地域になじむことで愛される店に
ローカル駅に出店する「田舎戦略」は、通常にはないノウハウも社内に醸成していく。こうした店舗を増やしていくなかで、スタッフに日々伝えていることがあるという。
「地元の人々に愛されることですね。特に人口の少ない町などは、悪い評判も口コミで一気に広まりますので。元気な声だしと清潔感、笑顔の接客は創業時から常に根幹に置いています。その結果、個人店のような常連さんもついていて、週に5回来られるなんて方も結構います。
また、仕入れも、お酒なら地元の酒屋さんを使わせていただくなど、地元の業者さんにお願いしているケースもあります。せっかく、ローカルな場所に出店させてもらうなら、自分の店の売り上げだけではなく、地域の経済にも良い影響を与えたいと思っています」
空白地帯にも続々と出店を進める
最後に「や台ずし」について今後の展望を聞いた。
「これまでは、雪国には出店しない方針だったんです。雪の時期が半年近く続くところもあって、その期間は売り上げが取れないので、会長の経験から当社の展開する業態では商売にならないという背景もありました。さらに、雪国の多くは繁華街に飲食店が集まっていて、私たちが主戦場とする『住宅地の近くで飲む』という文化があまりないんですよ。
しかし、最近、地球温暖化の影響もあって、豪雪地域が減ってきたので、数年前に山陰地方に出店をはじめたら思いのほか好評で今では山陰地方に4店舗出店し、5月には石川県の金沢にも出店しました。今後、数年以内での500店舗達成を目指しています」
ローカルなお店を知って「近所に欲しい」と思うことは、読者にも多いだろう。今、勢いのある「や台ずし」が、まだ近所にないと言うあなたのそばに登場する日も、そう遠くはなさそうだ。
<取材・文/Mr.tsubaking 編集/ヤナカリュウイチ(@ia_tqw)>