中国共産党は外交で失策しても倒れない?国際政治を知るための「入門書」
企業人やこれから就職する人にも役立つ
しかし、研究者や国を動かす官僚や政策にかかわる職に就く人は全体から見ればそれほど多くなく、大多数の人は企業に就職し、営利事業実務をこなすビジネスパーソンになるわけです。〈国際政治〉の項で取り上げてきた、日中関係や米中関係などは学問的には確かに大事です。
同時に、実際、企業人やこれから企業に就職する人にとっては、國分俊史先生の経済安全保障や国際政治を考えるときの企業視点も実質的であり重要(※6)です。そうした意味もあって、アカデミアとはかなり性質を異にする一冊として取り上げた次第です。
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※6「企業視点も実質的であり重要」=アカデミアと企業実務の分断は、それぞれの専門性ある職能人を社会生産するために必要なことではありますが、社会のなかで双方の知見が事後的に融合していくことは大事だと思います。特に国際関係はアカデミアとビジネス現場での融合があまり図られない領域なので、国際経営戦略という概念で接合されるとよいような気がします。気がします、とか言うと他人事になるので、僕もそこのアナタも接合させるプレイヤーになりましょう。
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<TEXT/北京大学 経営学博士 中川コージ>