サントリー、果実感が強い「缶チューハイ」を新発売。開発の背景を聞いた
「若者のアルコール離れ」が叫ばれて久しいが、缶チューハイ市場は盛り上がっている印象がある。実際、スーパーやコンビニに行くと「新発売」と書かれた缶チューハイを目にすることは珍しくない。
メーカー側としてもこの流れに上手く乗っかるために必死に施行を凝らしている中、サントリースピリッツ株式会社が2022年3月29日からリリースした「CRAFT -196℃(クラフトイチキューロク)」シリーズが現在注目を集めている。従来の缶チューハイとは違い、果物の美味しさを堪能できるハイクオリティな商品だ。
同社のRTD・LS事業部に在籍して、クラフト196のマーケティング戦略を担った吉田祐也氏に、クラフト196のこだわり、開発背景など話を聞いた。
独自の製法で果実本来の旨味を
吉田氏はまず、クラフト196を開発する上で意識したというこだわりを語ってくれた。
「『果実以上に果実』を実現するため、弊社が特許を取得している独自の製法“-196℃製法”を採用しました。この製法は果実の種や皮をまるごと-196℃で瞬間凍結させ、パウダー状に粉々にして、それをアルコールに浸漬して作ります。-
196℃製法を採用することで果実本来の旨味をしっかり封じ込めることが可能になりました。その製法を活かして「果実以上」の味わいを開発しようというのがCRAFT-196℃のスタートです」
製品開発時はものまねタレントを意識
「果実以上に果実」をいうコンセプトをメンバー間で共有するため、ものまねタレントを例に出していたようだ。
「超一流のものまねタレントさんのものまねって、時には真似る本人以上に本人らしく見えますよね。強調しすぎて本人がわからないこともなく、ちゃんと誰のものまねをしているかわかる。あれは、そもそも本質をしっかりと捉えて、特長をひきたてているから、本人よりも感動させることができると思うんです。
私たちも、ものまねタレントさんのように、素材の特徴を引き出し、その魅力をわかりやすくお客様に届けることを目指しました」
ユニークな共有事項ではあるが、言わんとしてはよくわかる。