体操界は他人事じゃない「職場のパワハラ」受けた人の率は異常に高い
東京オリンピックを2年後に控えているというのに、パワハラなどの問題で揺れる日本のスポーツ界。
日本体操協会による体操の宮川紗江選手へのパワハラ問題が紛糾するなか、9月5日放送の『クローズアップ現代+』(NHK)ではスポーツ界のパワハラ問題についての検証が行われました。これらの根底にあるのは一体、何なのでしょうか?
選考過程に問題点? 取材で見えてきたもの
番組では、日本体操協会の委員が、匿名を条件に取材に応じました。委員は、「塚原千恵子氏への権力の集中が問題の原因になっている」と指摘しています。
千恵子氏は体操女子強化選手本部長であり、夫の光男氏は日本体操協会の副会長を務めています。そのことで「2人に権力が集中する結果になっているし、誰も逆らえない状況にある」と番組内で証言しました。
さらに、千恵子氏は朝日生命体操クラブの監督を兼任しており、選考過程に大きく関与。代表選手の選考には「彼女の意思決定が色濃く反映されていた」という証言が紹介されていました。
旧来からの組織体制にこそ問題がある
柔道では2013年に発覚した女子柔道強化選手への慢性的なパワハラの問題をきっかけに、柔道界全体の信頼性が大きく損なわれました。
そこで、柔道界は風通しの良い組織にするために改革に乗り出して、成功した事例が番組内で紹介されました。
柔道連盟の理事会の会長に企業経営者を据え、メンバーにも外部人材を登用。定年制を導入して、権力の集中を防止する策を講じました。また、代表選手の選考過程を公開し、透明性を高めたといいます。
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