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「心を病む人のサイン」は睡眠にアリ。“70日祝日なし”の今の時期は要注意

暮らし

最悪のケースに至らないためにも

 万が一、うつ状態に入ってしまったら、最悪の場合どのようなケースに至るのか。

「この時期に限らず、心の不調が原因となる場合、最も良くない結末は自殺です。心の不調があれば、本人も、周囲の人も、医療者も自殺という最悪のケースを避けることを第一に考えて対処しなければいけません」

 休みが少なくてテンションが下がるというような、誰にでも起こりうる入り口からでも、心の不調の先には死が待っているということは、どんな人にとっても重大な事実。そうならないために「兆し」に早く気が付きたい。その兆しは体のどんな変化があるのか。

まずはぐっすり眠れず朝起きたくないという睡眠の乱れや熟眠感のなさですね。食欲が出ない、動悸や頭痛がするといったことがありますが、これだけの症状だと身体的な病気ということもあります。連日気持ちの落ち込みが続いていて『何も楽しいと思えない』という心の状態にこれらの身体症状が伴っているのなら、適応障害やうつ病を発症しているのかもしれません

兆候が見えたら、だれに相談すべき?

落ち込む男性

 心身両面に気を配りながら過ごすことが何より重要になるわけだ。それでも、心の不調が起こってしまった時、まずは家族や友人に相談する人も多いだろう。そうした周囲への相談で済ませられる状態と、医師に相談をしたほうがいい状態はどのように見分けをつければよいのか。

睡眠の異常があって、つらい状況が2週間以上続くなら、精神科や心療内科を受診したほうが良いでしょう。睡眠の異常は放っておくと、さまざまな精神疾患に発展したり、疾患を悪化させたりする可能性がある一方、短期的にはお薬で改善できることが多い症状です」

 自身の睡眠の状態をよく気にかけておくことが、発症しない、または重症化しないポイントだと分かった。睡眠以外で「仕事のパフォーマンスが落ちて来たから、おおごとになる前に早めに受診」と考える人もいるが、病院で「病気じゃないから来なくていいよ」と言われた、というケースもあるようだが……。

 それでも永野医師は「少しでもつらい思いがあるのなら受診してほしいと思います。例に示した状態でも、うつ病などになりかけのことがあるので、医者にかかって現状について頭の整理をして必要な対応を教えてもらったり、『余計なストレスになる物の捉え方をしていないか』を話し合ったりすることで、悪化を防げるケースは十分にあると思います」と、早めの受診を勧めている。

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