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超ローカルな鳥取県の町営ケーブルTVが、「NHK以上の満足度」を得るまで

ビジネス

満足度ナンバー1へのキーパーソンの存在

扶桑社

木田 悟史『みんなでつくる“暮らし日本一”「鳥取県×日本財団共同プロジェクト」から学ぶまちづくりのヒント』(扶桑社新書)

 それが、制作会社「アマゾンラテルナ」に所属する貝本正紀プロデューサーとの出会いでドラスティックに生まれ変わったのです。大まかに言えば、ケーブルテレビの、番組制作を貝本プロデューサーの所属する制作会社に外部委託をし、これまでの行政発信型から町民参加型に変え、それが住民の共感を得たのです。

 貝本さんは大山町出身者でもなく、大山町とは縁もゆかりもなかったのですが、たまたま番組づくりで大山町を訪れた際に、大山町営ケーブルテレビの当時の状況を知り、自分ならこの「大山チャンネル」を大きく変えることができるのではと閃ひらめきました。

「テレビを使ってまちの人たちを巻き込むことで、町を変えたい」「顔の見える人たちに喜んでもらえるような、暮らしに役立つような番組をつくりたい」とプレゼンテーション。そして大山町から賛同を得て番組制作をすべて委託してもらうことになりました。

 さまざまな施策の結果、独自の調査アンケートとはいえ、その視聴満足度はNHKの2倍以上となっています。かつて「見ているか、見たことがあるか」と100人に聞いて、はいと答えた人はわずか三人だった「大山チャンネル」が、いまでは見てよかった、おもしろかった、また見たいという人、つまりファンがとても多いチャンネルに生まれ変わったのです。

人気番組①『大山町をいただきます』

 これまで制作された「大山チャンネル」の番組をいくつか紹介してみましょう。『大山町をいただきます』は大山町の子供たちがまちのおいしいもの、名物をレポートするものです。有名人がでてくるわけでも、流行りの話題のお店を紹介するものでもありません。

 ラーメン屋さんの巨大チャーシュー麺を紹介したり、地元スーパー、Mマートのお手伝いをしながら「絶品茶碗蒸し」を食したり、ねぎ農家さんをたずねて畑でねぎ焼きを皆でがぶりと食べたり……子供たちが大山のおいしいものを自分の言葉で紹介するのがミソです

鳥取県

巨大チャーシューをレポート!

みんなでつくる“暮らし日本一”「鳥取県×日本財団共同プロジェクト」から学ぶまちづくりのヒント

みんなでつくる“暮らし日本一”「鳥取県×日本財団共同プロジェクト」から学ぶまちづくりのヒント

キーワードは「濃いつながり」「おせっかい人材」「学びの場」!“暮らし日本一”をコンセプトに推進されたプロジェクトでは何を拓き、何を成し遂げ、何を学んだのか?6年間にわたるその全貌は多種多様なヒントに溢れている

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