ノブコブ徳井健太が振り返る「なんもしてなかった」20代の頃と、相方・吉村崇
好きなのは「概念覆し系」
――なぜタブーなんでしょう。
徳井:例えば「熱湯風呂って本当は45度くらいなんですよ」ってだけ言われたら面白くないですよね。でも僕だったら「熱湯風呂といっても45度くらいなのに、あんなに熱そうにして体赤くして、そのあと氷風呂に入って一流のお笑いができるってすごくないですか?」とまで言いたい。熱湯風呂が何度であるかは、正直問題ではないんです。
一見こう見えますよね、でも本当は違いますよっていうのが好きなんです。概念覆し系。本にも書きましたが、「EXITってただ売れたいから歌出してると思ってますよね。でもそうじゃなくて、歌っていうものを通して、今あるお笑い界を破壊しようとしてるんだ、と僕は思ってるんです」っていうのが好きなんです。
だからこの本に書いている人たちは、一見、こんな風に思わせてるけど、実はそうじゃないっていう感じが多い。みんなそんなの言われたくないでしょうけど……(笑)。
“とどのつまり”な人が最高
――概念覆し系といえば、ご自身のYouTubeで「2022年に飲みに行きたい人」で、京都大学准教授で、ウイルス学者の宮沢孝幸先生の名前を出してました。
徳井:宮沢先生ね、『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日系)で感情を爆発させたりして、ああいう人が好きなんですよ。「とどのつまり」から言う人。今のテレビとか本とかでは、「諸説ありますけど」とか「体の弱い人はもちろんですが」とか、前振りというか事前にことわっておくことが長いじゃないですか。そんなんじゃなくて、コロナが流行ってるなか、「外に出て遊べばいい」っていきなり言ってしまう。
宮沢先生の話って、理に適っているにもかかわらず、ストレートな「答え」だけを全面に出すから、叩かれちゃう。あと、スポーツ選手でいえば、ダルビッシュ(有)さんとかも「野球強けりゃいいんでしょ」という感じが、僕としては最高に格好いいと思います。いまの時代で好感度とかを気にしてない人により惹かれます。