転職×副業で年収5500万円を稼ぐ32歳が、就活で目の当たりにした「学歴の壁」
社長にじかにメールした結果は…
この方法は非常に有効で、大手IT企業の社長などから返信をもらい、人事を紹介してもらえました。こうした行動を続けるうちに社長がじかに面接をしてくれたり、人事に「直接連絡してくる就活生は珍しい」と面白がられてエントリーさせてもらったり、「高卒扱いでもよければいいよ」と、特別に選考を認めてくれる会社が出てきます。
せっかく掴んだチャンスは逃せない。僕は四大卒に負けないようにと、自分なりにプレゼン資料を作って面接官に配ったり、自分でサイトを作って紹介するなど、あらゆる手段を用いて自分をアピールしたのです。しかし、それでも学歴の壁は大きかった。企業だけでなく面接会場で一緒になった就活生からも「え、19歳? 短大?」「短大枠とかあるの? コネなの?」と、嫌みを言われた経験は一度や二度ではありません。
転売などで貯めたお金で上京し、親戚の家や一人でホテルに泊まって会社を訪問する毎日。企業に受け入れてもらえないどころか、同じ就活生からもバカにされる状況に、四大への編入を考えたり、「もう就職できないかも……」と、夜行バスの中で泣きそうになった記憶もあります。
それでも必死に何社も受け続けた結果、今や日本を代表するIT企業となった通信会社や、日本最大級のECサイトを運営する企業から内定を頂くことができました。電話で「内定」と聞いた瞬間、震えるほど嬉しかったのを覚えています。
自分を「商品」として売り込む就職活動
今思えば、当時の僕の就職活動は完全に営業です。面接では、自分自身の実体験をもとに、応募先企業がこれから取り組むべきことや、自社サイトの改善点について列挙し、「自分ならこのような改善ができる」というアピールを繰り返したのです。
例えば、大手ECサイトを運営する企業には、僕自身が田舎出身でECサイトをよく使っていた経験から、このような“提案”を投げかけました。
「地方にこそECサイトが必要です。しかし、地方にはインターネット環境が整っていないエリアもまだ多くあります。僕の実家もいまだに携帯電話の電波が届かず、結局、車で買い物に出かけています。今後はECだけでなく、ECを使うためのインフラを整える事業にも乗り出すべきです。携帯電話事業などもやるべきではないでしょうか」