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電車に乗れずに半泣き!「東京を甘く見た自分」を呪った24歳男の通勤初日

コラム

自転車通勤をやめて後悔したワケ

 菱田さんの悪いクセが顔を出します。東京の電車を利用したこともないのに、「電車で行こう」と思い立ったのです。いままでは時刻表や乗り場を調べるのが面倒だったため、観光に来た時などはタクシー移動でした。でも、職場までタクシーだと結構な金額になります。

「僕にとっては苦肉の策でした。早起きをしていて時間に余裕があったこともあり、『東京の電車は複雑って聞くけど、まぁ、余裕』と思って駅へ向かったのです。でも、すぐにそんな考えが甘かったことを実感。乗り方がまったくわからず、半泣き状態になりました」

 ホームには予想以上に人が多くて落ち着かず、出勤までの時間も迫ってきます。駅員さんに尋ねれば一発解決するのですが、「田舎者だと思われたくない」という妙なプライドから、しばらくは尋ねることもできませんでした。

東京の電車の複雑さに変な汗が…

上京して驚いた話

「最終的には駅員さんに聞いて入社式には間に合いましたが、東京の電車の複雑さには、とにかく驚きました。時間ギリギリだったこともあり、電車を降りたあとは会社まで猛ダッシュ。家を出るときにはあれだけ寒いと感じていたのに、変な汗でグッショリになりました」

 会社に到着したときには、せっかくセットした髪も乱れ、自分の汗のニオイも気になるほどだったとか。入社式では自分の存在をアピールしたいと考えていた菱田さんでしたが、作戦変更。できるだけ目立たないよう行動し、発言や質問も控えたと言います。

 環境が変わると、これまでの自分の経験が役に立たないこともあるかもしれません。入社式早々、思い描いていた理想のスタートを自分の手で壊してしまった菱田さんのようにならないためにも、下調べや準備をしっかりとおこなっておきましょう。

<TEXT/山内良子 イラスト/カツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>

-[上京して驚いた話]-

フリーライター。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意です

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