スマホで発覚した親切な先輩の“裏の顔”に幻滅するまで「俺、あんな食えんし」
親切でやってくれていると思っていたことが、ただの押し付けだと判明した途端、相手の真意によっては迷惑に感じてしまうこともあるようです。そんな経験をした坂木優太さん(仮名・24歳)に話を聞きました。
坂木さんは、編集プロダクションに新卒で入社。右も左もわからなかったときに、仕事を丁寧に教えてくれた小泉先輩(仮名・27歳)を慕っていました。小泉先輩は仕事もできて気さくな人だったこともあり、崇拝しているような部分もあったと言います。
編集プロダクションで先輩とバディに
「編集プロダクションといえば聞こえはいいですが、フリーランスに毛が生えたような小さい会社。部署は3つありましたが、社員は僕も含めて5人、あとの5人はフリーランス。『仕事は見て覚えろ』という空気が流れているなか、小泉先輩はとても親切に見えました」
小泉先輩は、坂木さんが慣れるまでの指導役兼バディ。そのため2人は、1日の大半をいっしょに過ごしていました。坂木さんたちは人気のある飲食店に取材へ行く業務が多く、写真撮影のあとには、お店の人が高確率で「召し上がってみてください」と言ってくれるのです。
「単品メニューをテーブルいっぱいに並べて撮影することもありますが、ラーメンやうどんといった単品、定食やワンプレートランチなど、たいていは1人前です。そのため、後輩の僕は遠慮して小泉先輩に『どうぞ』とすすめるのがお決まりのパターン」
「おいしいから食べな」とすすめてくれた
けれど小泉先輩は、「おいしいから食べな」「若いのに遠慮するな」と坂木さんにすすめてくれるのです。そして、店の人が気を遣わないように「じゃあ、僕は次があるのでお先に」と先に店を出て、車で待っていてくれるというジェントルマン。
「僕は食べるのが大好きですし、先輩の気遣いを嬉しく感じていたので、すべて残さず食べていました。日によっては3店舗以上取材することもありましたが、学生の頃にスポーツをやっていたこともあり結構な大食い。すべての店で料理をペロリと平らげていました」
人気店の食事を無料で食べられるだけでなく、昼・夜の食費も浮いてこんなにラッキーなことはないと思っていた坂木さんは、小泉先輩に深く感謝する日々を送ります。けれどある日、ふとしたことをキッカケに、衝撃の真実を知ることになったのです。
「次の取材まで時間が空いてしまい、時間を潰すために車で寝ようということになったときがありました。僕は、結構どこででも寝られるタイプなので、一瞬で寝落ちて夢の中へ。なんとなく、先輩が起きている気配は感じていましたが、熟睡してしまいました」