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「エライでしょ?褒めて」を連発する“猫なで声”彼氏にウンザリした彼女の話

コラム

付き合って半年で彼氏の態度に変化が…

 けれど付き合って半年が過ぎた頃、「俺、会社の上司から仕事早いねって褒められちゃった」と報告を受けます。何気ない普通の会話だろうと無意識に思い、「ふーん、そうなんだ。スゴイじゃん」と返したところ、「もっと褒めて」と猫なで声で迫ってきたのです。

「目がウルウルしていて、両手は固く結んで祈りを捧げるような感じで私のほうに向けていました。いままで見たことがない彼の姿に、びっくり。一応、『スゴイね』と棒読みで伝えたところ、大樹は大喜び。『ねぇ、もっと褒めて。ねぇ!』と迫ってきたのです」

 その日は流れで褒め続けた井上さんでしたが、その日以降、大樹さんは「〇〇したよ。エライでしょ? 褒めて」を連発するようになります。彼氏に甘えることはあっても甘えられた経験はなく、猫なで声で迫られたこともなかった井上さんは、ストレスに。

いつの間にか「褒めて」と猫なで声で連発

私の周りの迷惑な人

「そういう男性をステキだと思う人もいるかもしれませんが、私は正直、キモイと思ってしまいました。自分の趣味ではなかったのです。しかも彼は、実家でも自分の母親にフツーに『褒めて』とおねだりしていて、本当に気持ち悪いと思いました」

 井上さんが悩んでいるときに、大樹さんと付き合いの長い友人や同僚から、「いつの間にか、褒めてと猫なで声で連発するようになり、対応に困っている」との相談が相次ぎます。もちろん、大樹さんがトイレなどで席を外しているときなので、本人は知りません。

「相談を受けるうちに、私だけじゃなく周囲も迷惑がっていると知って、忠告する決心がつきました。大樹の周りは義母さんも含めてみんな温和でやさしい性格の人ばかりだから、自分からは切り出せないという感じだったのです」

 勇気を出して大樹さんに忠告したところ、意識して改善するようになったとのこと。そのかわり井上さんも、彼のことをたくさん褒めるように心がけているそうです。迷惑な言動も、大切な人からの忠告と愛のある対応があれば、気持ちよく改善できるのかもしれません。

<TEXT/山内良子 イラスト/本田しずまる(@hondashizumaru)>

-[私の周りの迷惑な人]-

フリーライター。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意です

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