メールが苦手な人は生産性も低い。プロが教える「誰でもできる魔法の文章術」
電話を多用される場合は…
文章力だけでなく読解力の磨き方も分かってきたが、今なお「電話のほうが早いから」という理由から、メールではなく電話をコミュニケーションのメインに据えている人も多い。いつまでも電話主体の職場では、文章ベースのコミュニケーションは定着せず、ビジネスメールに関するミスも減らせない。
電話を多用する同僚に対して平野氏は「私は基本的には電話には出ずにメールでやり取りを済ませます。仮に急ぎの要件であれば留守電を入れますよね。その際は留守電の内容を聞き、メールで返信するなり折り返しの電話をかければ良いです。会社としても『テレワーク中は基本的にはメール・チャットツールでやり取りしましょう』と啓発すると良いでしょう」と回答。
打つのが遅い人は生産性が低いまま
さらには、「メールが苦手な人は2種類いて、打つのが遅いか、考えるのが遅いか。キータッチが遅い場合は、音声入力を使ってもいいと思います。音声入力の使用頻度やクオリティは上がると思いますが、10年後もキーボードによる入力はなくならないはず。そのため、打つのが遅い人は生産性が低いままです」と釘を刺す。
「文章を考えることが遅い人はひたすら書くことにより、慣れていくしか方法はありません。しかし、“単語登録”を駆使すれば十分克服できます。先述した通り、ビジネスメールには型があり、使用する表現も多くはありません。毎回毎回、『お世話になっております』から書くのは面倒ですので、頻繁に使用する文章を単語登録しておくと、『電話のほうが早い』ということはなくなります。そうなれば、自身だけでなく会社全体の仕事のスピードもアップするため、ストレスなく働くことが可能です」
文章力が上がれば、昇給や転職のチャンスを掴みやすくなる、と言える。上手い文章ではなく、伝わる文章を目指して、今回聞いた内容を実際に活用したい。
<取材・文/望月悠木 編集/ヤナカリュウイチ(@ia_tqw)>
【平野友朗】
一般社団法人日本ビジネスメール協会代表理事。筑波大学人間学類(認知心理学専攻)卒業後、広告代理店勤務を経て、2003年、日本で唯一のメルマガ専門コンサルタントとして独立。2004年、アイ・コミュニケーション設立。ビジネスメール教育の第一人者として知られ、メディア掲載は1,500回以上