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朝倉未来戦で脚光の32歳“サラリーマンファイター”が語る挑戦「計量前日まで出勤してます」

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就職活動中は「顔がボコボコにならないか不安」

 大学進学を機に20歳で大学近辺の総合格闘技ジムへ入会し、自身も本格的に鍛えるようになった。趣味が高じて始めた総合格闘技だったが、先輩であるプロ選手に「プロにならないか」と誘われ、就職活動のまっただ中の2014年、DEEPでプロデビューを果たした。

「合同説明会と面接の合間に、デビュー戦へ出場しました。『顔がボコボコになったら嫌だな』と思いつつ、就活の面接で話のネタになるかもしれないという打算的な思いもありました」

 デビュー戦では堀内デューク選手と対戦し、1ラウンド目でTKO勝ちを奪った。その後も順調に試合を重ねていったが、専業のプロ格闘家になるつもりはまったくなかったという。

朝倉未来戦がきっかけで社内認知が拡大

RIZIN

試合直後の弥益さん。治療が必要な場合は有休を取得して病院へ行くこともあるが、顔が腫れたまま試合翌日に出勤することも

「同じく筑波大学出身でプロ格闘家になった同級生がアメリカへ格闘技修行に行ったり、出稽古で追い込んだりしている姿を見て、自分にはそこまでやり切る覚悟がないと思いました。ただ、格闘技は変わらず好きだったので企業に就職し、生活を安定させながら趣味として格闘技を楽しむ道を選びました」

 入社当初、社内では「趣味で格闘技をやっているらしい」程度の認識であったが、2020年大みそかに開催された「RIZIN.26」の対朝倉未来戦がきっかけとなり、社内での認知が一気に広まった

「あまり会話をしたことのない社員から、『家族でテレビを見ていたら弥益さんが出てきてびっくりした』と話しかけられたこともあります。社内からはどういう反応があるのだろうと不安な気持ちがありましたが、大会前に応援の声をもらうことも多いので、今のところ肯定的に捉えてもらえているのかなと思います」

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