若者がすぐ辞める「危ない会社」の特徴。共通するテレワーク時の“無意味なルール”
表面的なDX投資で“やってる感”を演出
ただ、このような例はわかりやすいケース。厄介なのが「表向きは“改革に取り組んでいる風”の会社」だと新田氏は続ける。
「とりあえずデジタル人材を採用しておけばDX化すると考える経営陣はかなり多い。しかし、解決すべき課題や軸となる方針が見えない状態で、ただ高い給与でデジタル人材を雇っても、組織が混乱するだけ。これは、適性を考慮せずに形だけ女性管理職を増やす企業も同様です。“やってる感”だけで“なぜ改革が必要なのか?”という根本的な問いがないので、誰も幸せにならず、無駄な軋轢だけが残ります」
「理系偏重主義」に疑問
人事戦略コンサルタントの松本利明氏(@Tommy_matsumoto)も、DX化で増えつつある「理系偏重主義」に疑問を呈す。
「もはや文系・理系という色分けがナンセンス。双方の人材が連携し、知見がマッシュアップされることで高付加価値な仕事が生まれるという形が基本です。逆に、デジタルツールを導入したものの、部署間での情報共有や意見交換が行われずに分断が進む『サイロ化』が起きてしまう会社も少なくない。テレワークが増え、オフィスでの雑談や飲み会が減った今、情報や知見が偏るサイロ化のリスクは、より高まっています」