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国産家電メーカーは苦境…中国発「ハイアール」に聞く“差別化成功”の理由

ビジネス

冷凍庫のラインナップが勝負の分かれ目に

ハイアール

高級感を出すために最近ではゴールド、シルバーなどの冷蔵庫も出しているという

 日本の家電メーカーの勢いが衰えるなか、ハイアールでは「海外では主流の冷凍庫が求められる時代が日本も来る」という信念を持って、豊富な冷凍庫のラインナップを揃えてきたことも、他社との差別化につながっているという。

「これまで冷凍庫と言えば、『あくまで冷蔵庫に付属しているもの』という局地的なニーズしかありませんでした。ただ、近年の冷凍食品ブームによって冷凍庫の需要が増えてきていて、特にコロナ禍以降、必然的に冷凍室が広い冷蔵庫や前開き式の冷凍庫が求められるようになりました。

 冷凍食品の買いだめやふるさと納税の返礼品のために冷凍庫の容量を増やすなど、お客様のさまざまなニーズに応えられるような商品スペックを持っているからこそ、事業を伸ばすことに寄与できていると考えています」

若い世代が縮小し、シニア世代が増加

 そして、これからは新生活向けの白物家電に加え、カップルやファミリー向けの中型・大型家電の商品も拡充し、さらなる成長を目指しているという。

ハイアールは冷蔵庫にしても最大で468L、洗濯機にしても8.5kgと、世の中の流れで見れば中型家電に分類されます。商品ラインナップを増やし、ターゲット層を拡大することも大事ですが、やはりハイスペックで高付加価値を提供しようとすると、投資コストもかかりますし、一定のリスクも背負うことになる。

 そのため、まずはお客様のニーズのあるところから次第に広げていくことを肝に命じています。若い世代が縮小し、シニア世代が増加してくるなかで、それぞれのターゲットごとのニーズに即した商品開発が重要になってくると捉えています」

 従来の小容量家電よりも容量アップがされた中型家電は、2020年の年末から販売を開始している。冷蔵庫と冷凍庫を兼用して使える変温機能など、ハイアール独自の機能を盛り込んでいるという。

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