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国産家電メーカーは苦境…中国発「ハイアール」に聞く“差別化成功”の理由

ビジネス

日本市場に合わせたアフターケア

ハイアール

ハイアール「326L 冷凍冷蔵庫 JR-NF326A」。-20℃~5℃まで温度調節できる変温室「セレクトゾーン」を搭載している

 さらに、購入後のサービスに対しても徹底的にこだわり、ユーザー満足度を高める取り組みも日本でシェアを伸ばす要因になっているそうだ。

「ハイアールのカスタマーサポートには『お買い上げ後から、本当のお付き合いが始まる』という考えがあります。売って終わりではなく、商品の修理やメンテナンスといった相談を日本全国24時間365日受け付けているのが他社にはない特徴になっています。

 充実したアフターケアを提供することで、ナショナルブランドと同じ安心感を醸成し、お客様に安心して商品を長く使っていただけるように心がけています」

日本の家電メーカーは衰退したのか?

ハイアール

ハイアール「406L 冷凍冷蔵庫 JR-NF406A」。142Lの大容量冷凍室を備えている

 他方、白物家電をめぐっては「日本の家電メーカー」と「外資系家電メーカー」とで明暗が分かれたとも言われている。パナソニック、シャープ、ソニーなど日本企業が家電の一時代を築いた時代から、現在では中国や韓国などの家電メーカーが躍進している。

 松田氏は「日本の家電メーカーは凋落したとされているものの、実際のところは母体が変わって継続しているので、そうとは言い難いのでは」と意見を述べる。

「日本の家電メーカーの強みとしては、技術に裏打ちされた高性能・高品質にあります。一方で、ハイスペックさを求めるあまり、次第に消費者がついてこれなくなってしまったのもあると思います。こうしたなかで、外資系家電メーカーが入り込む隙間が生まれ、消費者志向やライフスタイルの多様化で、形勢が変わってきたと考えられます」

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