仮面ライダー俳優・奥野壮が語る「刑務所の制服」を着て実感したこと
自分で「できる」に持っていく
――本作のラストには、あるメッセージが流れます。それがかなり沁みました。奥野さんはまだ若いですけど、自身の胸に留めておきたいポリシーはありますか?
奥野:僕は言霊(ことだま)を信じています。「できますか?」と聞かれたときに、その時にできなくても「できる」と言い切るようにしています。たとえば去年放送されたドラマ『超速パラヒーロー ガンディーン』の主演が決まる前にも、「車椅子でのお芝居になりますけど、できますか?」と聞かれました。経験はありませんでしたけど、「できます」と答えました。
そう口にすることで、できるようにならないといけない。追い込まれないと僕はできない人間なので、自分でそうした状況を作り出すように意識しています。
――『仮面ライダージオウ』でソウゴを演じられていたときに、「ポジティブなところが似ている」と言ってました。
奥野:僕は、ポジティブな人間ではないんです。でもポジティブなことを言うようにしています。自分自身は割とネガティブですよ。だけど、だからといってネガティブなことを口にするのは好きじゃないし、いいことだと思わないので、プラスなことをなるべく口に出すように心がけています。
自分に負けたくない
――そうした姿勢は子どもの頃からですか?
奥野:小さい時からバレエをやっていて、そのころからですね。ピルエットを三回転できるか四回転できるか、みたいなことでも、できないと思っちゃうと、もうできなくなっちゃうので。とりあえず「できる」と自分に言い聞かせました。
――以前インタビューした時も、もともと体は柔らかくないけれど、努力してできるようにしたとお話していました。
奥野:自分に負けたくないのだと思います。できないというマインドに入ったときの自分が好きじゃないんです。