自分本位で交流するのは避けたい

　中間的な立ち位置だからこそ、ルールはそれぞれの施設によって異なり、明文化されにくいのかもしれない。けれども、最低限押さえておくべきマナーは覚えておきたいもの。コワーキングカフェを利用する際に、注意すべきことを遅野井氏に聞いてみた。

「他の利用者と無理やり交流しようとするのは避けましょう。もちろん、結果として交流に至る人間関係を構築できる可能性はありますが、あまり期待しないほうが良いかと。また、コワーキングスペースと比べて、コワーキングカフェの利用者は、より不特定多数の属性になります。

　会員登録時の遵守事項や利用規約上のハードルが低い場所もあるため、情報の取り扱いには注意が必要です。機密性の高い会議や資料を使う場合は、個室ブースを利用するなど配慮してください」

飲食物で汚したままにしておくのもNG

　利用料金を払っていたとしても、あくまでも共有スペースであることを忘れてはならない。

「必要以上に広いスペースを我が物顔で占有したり、あたかも自分のオフィスのように他者を寄せ付けずに利用したりすることはNGです。当然のことですが、利用後に飲食物で汚したままにしておくのも避けましょう。利用後は綺麗に退出することを意識してください。

　とはいったものの、まずはとにかく気軽に利用していただき、新しい働き方を体現してもらいたいです。そして、どんな場所でどんな成果を出せるのか、自分の特性を理解することが大事です。

　目的に合わせて、自社オフィス・自宅、そしてカフェやコワーキングカフェ、コワーキングスペースを使い分ける。そうした体験を積み重ねていくことで、より自律的に働けるようになると考えています」