ITバブル崩壊の再来もありえる。話題のレバナス商品は稼げるのか
GAFAなどの超高成長銘柄からなるナスダック100指数に、レバレッジをかけてリターンを狙う「レバナス」。昨年大ブームを起こした金融商品でまだ稼げるのか……? その投資法を探った。
元外銀為替ディーラーの西原宏一氏、レバナス民の一人であるみね部長氏(@ryman_minebucho)、レバナス系YouTuberとして1000万円をレバナスに投じる谷口総志氏(@taniguchisoshi)といった識者に聞いた。
金利急騰で1か月18%も急落
2022年2月3日、ECB(欧州中央銀行)は早期利上げへと急転回した。米国に続く利上げシフトで債券市場では金利が急騰。同時に、株式市場では金融緩和に伴い、流入していたリスクマネーの巻き戻しが発生。グロース株(成長株)を中心に売られまくり、GAFAが上場する米ナスダック市場の主要指数ナスダック100は1か月で18%も急落した。そんな大荒れ相場で注目を浴びているのが「レバナス民」だ。
「レバナスとはナスダック100にレバレッジをかけて、1日あたりの値上がり率の2倍のリターンを狙う投資信託の俗称。日本では大和アセットのレバナスが老舗ですが、昨年11月に楽天もほぼ同じ商品を売り出し始めた。これに投資する人がレバナス民です」(元外銀為替ディーラーの西原宏一氏)
ナスダック100は100社から構成されるが、指数の48%をGAFA、マイクロソフト、テスラ、エヌビディアの7社が占める。大きく偏った構成が特徴だ。
“レバナス熱”が急速に高まった2021年
レバナス民の一人であるみね部長氏はこう話す。
「GAFAは日本人の生活に欠かせない。だから、まだまだ伸びると思ってナスダック100に連動する投信を3年ほど前から持っていましたが、レバレッジをかけられることを知り、レバナス積み立てを始めたのが昨年8月。当初は月8万円で、今年から月20万円に増額しました。
米半導体銘柄に3倍レバレッジで投資する『SOXL』などのレバレッジ系投信を合わせると投資額は合計500万円ほど。シミュレーションしたところ、このペースなら6年後には1億円に達するはずです」
“レバナス熱”が急速に高まったのは昨年のこと。コロナショック以降の世界的な金融緩和を受けてナスダック100が急騰。それに比例するように、大和のレバナスの純資産は2020年に10億円から400億円へ、そして2021年には2000億円の大台に到達したのだ。しかし……。