利害関係が一致した30代カップルの“食生活”とは「ムネ肉、ブロッコリーと…」
思っていたことを正直に伝えたら…
「私も、同じことを疑問に思っていたと伝えたんです。郷田さんは結婚話が出るとすぐに話を逸らすし、深い話はしてくれないと。でもまた、お互いに気まずい雰囲気になってしまいました。このままではいつもと同じだと思ったので、思い切って料理が苦手だと話すことにしたんです」
思い切って「料理が苦手だし、できれば作りたくない。でもそれが原因で、いままで結婚がダメになってきたから言えなかった」と告白した吹上さんを、郷田さんは目を丸くして見つめたと言います。
「また、ひどいことを言われるかもしれないと覚悟していました。でも次の瞬間、予想もしない言葉が聞こえてきたんです。『それって、料理をしないルーティーンってことだよね?』と、明るく弾んだ声で質問されました。いつもの展開と違うと思い、思わずコクリと頷いたんです」
ムネ肉とブロッコリー、ゆで卵しか食べない
すると郷田さんから「実は僕、デートのときは嫌われたくなかったから我慢して普通に食べていたけど、普段はムネ肉とブロッコリー、ゆで卵しか食べないんだ。結婚しても食生活や、自分の食べる分を自分で準備するルーティーンは変えたくない」という思わぬ告白が。
2人は、お互いの顔をみつめて吹き出したのだとか。そして、お互いの利害関係が一致することをあらためて確認し、晴れて結婚。いまは幸せに暮らしていて、「子供ができれば食生活も変わるかもしれないが、そのときはまた2人で相談したい」と考えているそうです。
食べることは、一生続く大切な人間のルーティーン。無理に相手に合わさずに、お互いの「食」を尊敬し合える相手を見つけたほうが日々のストレスは軽減できそうです。
<取材・文/山内良子 イラスト/磋藤にゅすけ>
-[食に関するびっくりエピソード]-
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