揃ってお酒が苦手な30歳男性の両親。彼女の“お土産”が招いた意外な結末
「一家で下戸」を知らなかった彼女
「ほんの1~2秒だと思いましたが、やけに長く感じました。これは私のミスですが、自分が下戸なのは彼女も知っていましたが、両親もお酒が苦手なことは伝えていませんでした。その日本酒は立派な木の箱に入った大吟醸。お酒に全然詳しくない私にも値の張る品であることは容易に理解できました」
ただし、このときは両親が大人の対応。素直にお礼の言葉を述べ、それからは特に問題もなく和やかなムードで話が進み、結婚の意思を固めた2人を喜んでくれたそうです。
なお、その日は彼実家で夕食を共にしたそうですが、ここで彼女が「せっかくなら先程のお酒飲んでみてはいかがですか?」と提案。気を利かせたつもりだったのかもしれませんが、再び田山さん一家には妙な間が流れます。
「さすがにここで適当な理由をつけて飲まないのは不自然だと思い、隣に座る彼女のほうを向いて『ゴメン』と言って、両親もお酒が苦手なことを打ち明けました」
この出来事をきっかけに母親と彼女が仲良しに
それを聞いた彼女は、土下座せんばかりの勢いで何度も謝罪。これに対して両親も彼女に頭を下げてきたそうです。
ところが、途中で「一番悪いのは何も言わなかったこの子よ!」との母親からの一言で矛先が田山さんに。おかげで3人から食事中ずっと責められることになってしまいます。
「夕食後、駅まで彼女を送る途中も『あんな大事なこと、どうして先に言ってくれないのよ!』って怒られちゃうし、あれには参りましたよ。だけど、結果として母と彼女はすっかり打ち解け、結婚した今はで実の親子かと勘違いされるほど仲良し。
それに周りはお酒がダメな人ばかりだから彼女も自然と飲む機会が減り、独身時代と比べてお酒に使うお金が減って家計的には助かっているみたいです。そう考えると自分の貢献度って大きいんじゃないかなって今では都合よく解釈しています(笑)」
実際にはパートナーや義両親に合わせることがストレスと感じる人も少なくありません。それだけに本当にいい相手とめぐり合うことができたのかもしれませんね。
<TEXT/トシタカマサ イラスト/カツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>
-[僕・私の家の話]-