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「ハリポタ」の次がなぜマリオ?ユニバーサル・スタジオ・ジャパン経営の裏舞台

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任天堂の宮本茂氏も毎月のように来園

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スーパー・ニンテンドー・ワールド 画像提供:ユニバーサル・スタジオ・ジャパン ©Nintendo

 また、世界的に高い評価を受けているマンガやアニメ、ゲームや音楽など複数ジャンルを現実のものへと再現するイベント「ユニバーサル・クールジャパン」など、リアルな世界の再現には定評と実績のあったユニバーサル・スタジオ・ジャパン。しかし、マリオの世界観を維持しながらのリアルな展開は難を極めた。

「ゲームの世界を現実に持ってくるためのテクノロジーの問題については、『ユニバーサル・クールジャパン』などで新しいキャラクターをゲーム化するといったノウハウがありました。また、AR技術を使ったものやランクアップしたアトラクションを作ることは、我々が得意とする分野だったのです。

 ただ、キャラクターなどの世界観をしっかり守ること、ファンの方に『こんなんじゃないよ』と思わせないために、いかに世界観を作り上げるかということが非常に苦労した点です。マリオの生みの親であり、スーパー・ニンテンドー・ワールドの監修者でもあった宮本茂さんは毎月のようにパークまで足を運んで、造形物のクオリティだったり、キャラクターのサイズや動きだったりをチェックしてくれました」

コロナ禍によるメリット・デメリット

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20周年限定「NO LIMIT! ツリー」 画像提供:Universal Studios Japan TM & © Universal Studios. All rights reserved.

 ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでは世界中のベンダーを使っていたため、現地で確認すべきことがオンラインでおこなうことになるなど、コミュニケーション面での苦労が大きかったと山本氏。

「また、2020年の1月に発表会をしてニューヨークでスーパー・ニンテンドー・ワールドのイベントをおこない、そのイベントの当選者を日本に招待するなど、開業に向けての盛り上げ施策をいくつも用意していました。けれど、コロナ禍の影響で準備していたことが次々と中止に。オープンもズレ込んで、2021年3月18日となりました

 コロナの感染拡大では大きなあおりを受けましたが、悪かったことばかりではありません。アトラクションの最終的な微調整というのは本当に難しいものですが、コロナの影響でクローズした期間にスーパー・ニンテンドー・ワールドをしっかりと作り込むことができました。

 また、ライドを乗せるときや食事をサーブするときの準備などのサービス面なども高水準まで持っていくことができたのです。エリア全体やアトラクションの面白さもありますが、こういった他では体験できない心と心のつながりを創り出すサービス面の高い評価が、過去最高クラスの満足度につながっています」

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