「ハリポタ」の次がなぜマリオ?ユニバーサル・スタジオ・ジャパン経営の裏舞台
コロナ禍の影響を大きく受けた日本国内のレジャー施設では、やむなく閉園を発表した施設もあり、惜しむ声が後を絶たない。日本の2大テーマパークのひとつであり、2021年に20周年を迎えたユニバーサル・スタジオ・ジャパンも来場者数の減少や感染症対策による来場者制限などにより同じく苦境に立たされていた。
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そこで今回は、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのコロナ禍への対応や感染症対策、安全への取り組みのほか、アトラクション展開までの紆余曲折などを合同会社ユー・エス・ジェイのマーケティングコミュニケーション部長である山本歩氏に話を聞いた。
オープンから現在までの紆余曲折
2001年にオープンしたユニバーサル・スタジオ・ジャパン。オープン当初はハリウッド映画に関するアトラクションのイメージが強かったが、現在は日本で人気のあるアニメやキャラクターもパークを盛り上げる。
「2001年にオープンした当初はPOWER OF HOLLYWOODをテーマに、若い方を中心にしたアメリカのやり方で運営していました。けれど日本は、海外のマーケットと消費者ニーズが違っていたためターゲット層を変更。独身女性や4~11歳の子供を持つお母さんが中心になるだろうということから、ファミリーエンターテイメントという方向にシフトしました。
ユニバーサル・ワンダーランドというファミリー向けのエリアをつくり、映画だけにこだわらずアニメやキャラクター、マンガやゲームを展開。なかでもハリー・ポッターが大きなエポップメイキングとなり、大きくビジネスを伸ばしました」
なぜハリー・ポッターの次が「マリオ」?
関西方面ではオープン当初より人気のあったユニバーサル・スタジオ・ジャパンだが、関東方面から認識・注目され、大きくビジネスが変化しはじめたのは、ハリー・ポッターがキッカケだったのだとか。その後も、ナイトパレードやミニオンなど強いコンテンツを定期的に展開。こうした戦略が功を奏し、2017年には過去最高の約1,600万人もの来場者数を記録した。
2015年からは「スーパー・ニンテンドー・ワールド」のプロジェクトが開始。当初は2020年のオリンピック開催に向けてオープン予定だったが、新型コロナの影響などもあり2021年3月18日にオープンとなった。
「ニンテンドーのマリオは、ゲームとして販売されてから2021年で36年。長い期間経っていて、いまの子供から40~50代までの大人が楽しめる内容になっています。世界観がしっかりしていて、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンが考える『クオリティが高くて、みんなが伸び伸び刺激的に、そして元気に楽しめる』という趣旨にマッチしていたからです」