富士そばマニアが選ぶ「2021年心に残った珍そばメニュー」ベスト5。異色コラボも
3)銀だこそば:明石焼きのような感覚
そばの上には、3つのたこ焼きが鎮座。「銀だこそば」(500円)は、新春のメニューとして、歌舞伎座前店(現在閉店)をのぞく全店で提供された。年始早々から得意の悪ノリ!? いやいや、「タコ」と「多幸(たこう)」をかけた、おめでたいメッセージが隠されているのだ。
「たこ焼きそば」は2000年ごろにも存在していたが、今回はたこ焼きの製造・販売チェーン「築地 銀だこ」とのコラボレーションメニュー。ほぼノリで販売が実現したようで、開発担当者はあるインタビュー記事で「明るい話題を届けたかった」と述懐している。
たこ焼きは冷凍モノを使っており、注文が入るとフライヤーに投入して一気に加熱。つまり、正しくは「たこ焼き」ならぬ「揚げたこ焼き」なのだが、厨房に焼き器を設置するわけにはいかないので仕方がない。前述の歌舞伎座前店で取り扱わないのは、店舗契約の都合上フライヤーが使えないためである。
さて、肝心の味はいかほどか? 揚げたこ焼きとはいえ、さすがは銀だこ。外カリ、中トロのたこ焼きは、富士そばのつゆとも相性がよく、明石焼きのような感覚でおいしくいただける。
一部店舗でタコヤキラーメンも登場
麺とたこ焼き――、この組み合わせに「タコヤキラーメン」を思い浮かべた人は若くても40代以上だろう。タコヤキラーメンは、1985年に日清食品が販売したカップラーメン。女子プロレスラーのダンプ松本氏を起用したテレビCMはツッコミどころが多く、消費者に強烈なインパクトを残した。
富士そば内部にもトラウマを刻まれた人がいたのだろう。銀だこそばの販売から間もなく、飯田橋駅前店や神田店などの一部店舗で「タコヤキラーメン」(500円)が登場。本家のパッケージをイメージしたPOPまで作成された。もはや完全な悪ノリなのだが、ここまで開き直られたら逆にアッパレ!