共働き夫婦が、早期リタイア「FIRE」を実現するために必須のこと
結婚しているなら共働きで合計所得を増やすことがFIREへの近道となります。これは間違いありません。「FIRE」とは十分な貯蓄と、投資による運用益で、早期退職を目指すムーブメントのことで、アメリカで誕生し、日本でも徐々に認知されつつあります。
話題の新刊『普通の会社員でもできる日本版FIRE超入門』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者で、ファイナンシャルプランナーでもある山崎俊輔氏が解説します(以下、同書を一部編集の上、抜粋)。
共働きで合計所得を増やせ
結婚していて、2人が健康であるなら、2つのエンジンを持っているのにわざわざ片翼飛行をする必要はありません。2つのエンジンを最大限に活用して、FIREを目指すべきです。
若い人はもう気がついていると思いますが、男性と女性は同じ教育を受け、社会に飛び出します。女性の大学生の就職率も男性と遜色ありません。社会が女性に不公平な仕組みであったことも、数十年をかけて少しずつ解消されてきました。
たしかにいまだに男女不平等は職場に残っているものの、「そうではない職場」が増えていることも事実です。ダメな会社はさっさと飛び出して、まともな会社で働くことをおすすめします。それが結果としてダメな会社に引導を渡すことにもなります。
それぞれが働いていて、出会い、結婚をしたとき、「働き続けること」を選ぶことは目の前の経済的豊かさを獲得するだけではなく、将来の豊かさを得る力にもなります。
「子育てが終わったらパート」はリスキー
FIREを目指す人はおそらくこの類いの失敗をしないと思いますが、共働きのもっとも効率の悪いパターンは「子どもが高校に入ったし、そろそろパートで共働きを再開するか」というものです。
子育てがなかなか大変であったため、いったん会社を辞めて、落ち着いてからまた仕事をと考える人がいます。この場合、マズいのはキャリアの断絶が大きく、修復不能になるリスクです。高校生ということは最大で15年、あなたのビジネスキャリアをストップさせるわけです。これでは過去の経験はほとんど役に立ちません。結果としてパート等の年収の低い選択肢しかなくなります。
それに今年必要な支出増を今年の収入増でやりくりするという発想自体、計画性のなさの証明です。FIREを目指す人がこのような愚かな資金繰りにハマる必要はありません。働き続け、稼ぎ続け、そこから貯め続けることと、共働きはセットです。