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テレワーク特需の「PC周辺機器メーカー」大手2社で業績が対照的なワケ

ビジネス

OS切り替え需要からテレワーク特需が

 スマホ関連の売上高はその年の不調・好調に左右されるため年度によって成績は上下していますが、パソコン関連はおおむね好調なようです。2020/3期までは投入した新製品の売上が伸びたほかWindows10への切り替え需要が増収に寄与しました。

 そしてコロナ禍の2021/3期では、テレワーク特需でパソコン関連の売上が伸びたほか、オンライン会議に欠かせないカメラ・マイク類も順調に売れたためTV・AV関連の売上高も伸びました

 一方でHDD類を扱う「周辺機器」は競争激化の波にさらされて不調が続いています。ちなみに「その他」に分類される商品の売上高は除菌関連商品がヒットし、2021/3期売上高は28%も増加しました。

低迷が続くアイ・オー・データ

アイ・オー・データ メモリ

アイ・オー・データのメモリ

 一方、アイ・オー・データの2018/6期~21/6期業績は以下の通りです。売上高が横ばいとなっているほか、最新決算の売上高営業利益率もエレコムが14.7%(2021/3期)に対し、同社は2.3%しかなく、業績は伸び悩んでいます。

【アイ・オー・データ機器】
売上高:554億円⇒592億円⇒562億円⇒566億円
営業利益:30億円⇒22億円⇒21億円⇒13億円
最終利益:21億円⇒21億円⇒19億円⇒14億円

 HDD類のストレージ関連は近年の価格低下によって競争力を失い、市場シェアを失ったことで減収が続きました。テレワークの普及で期待できるはずだった2021/6期も減収に留まっています。

 一方の液晶関連は好調続きです。オフィスのIT投資増加に伴ってPC用モニターの売上が伸びたほか、企業向けの大型モニターも売れました。

 Webカメラ、スピーカー類の周辺機器関連はいまいちなようです。コロナ禍の2021/6期こそ7%の増収となったものの19/3期、20/3期は2%程度しか伸びませんでした。

 この点は「パソコン関連」で新製品の投入に成功したエレコムとは対照的です。そして他社製品を扱う「その他」関連は年度によって上下しているため長い目で見ると横ばいとなっています。

 総じてみるとエレコムは不調な分野もある一方、主力の「パソコン関連」と「TV・AV関連」が伸びたため全社では売上高の増加が続きました。しかし、アイ・オー・データ機器は各分野が不調となり、主力である液晶関連の伸びがこれを補えず全社では横ばいとなりました。

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