楽天、フェイスブックを経て「クラフトビール」で起業。異色のキャリアの原体験とは
出張先で飲んだクラフトビールに衝撃
地方創生に携わるなかで、本当に良いモノで囲まれている日本の素晴らしさを感じるとともに、「日本の誇れるモノづくりを、世界にもっと発信したい」と次第に考えるようになっていった。
そんな折、フェイスブック本社のあるサンフランシスコへ出張した際にふと入ったビアバーで「クラフトビールに出会ったのが起業する原体験になっている」と話す。
「当時、健康診断の結果で、一時期飲酒を控えていたんですよ(笑)。久しぶりにお酒を飲もうとたまたま入ったビアバーでクラフトビールと出会い、その香りや味に感銘を受けました。クラフトビール人気が高まっていることは全然知らなくて、帰国後もいろいろと調べていくと、日本のクラフトビールはまだ伸びしろがすごくある市場だと思いました。起業するならブランドのポートフォリオを作る会社を考えていたので、『アルコールの次なる魅力をもっと伝えるには、クラフトビールしかない』と決意しました」
点と点が繋がっている感覚
P&G時代のブランドマーケティングで、「素敵なブランドや良い製品は、生活者のライフスタイルをよくする」ことを学んだという長谷川さん。
そして楽天やフェイスブック ジャパンでは、テクノロジーを通して世界中にモノやコトを届けることができ、かつモバイルという小さな画面のなかに、国を超えて繋がれるプラットフォームが存在するという、大局的なデジタルのトレンドを掴んだという。
「一見、テック企業とモノづくりは接点がないように見えますが、自分の中では『点と点が繋がっている感覚』を持っていて、それぞれのキャリアで学んだ知見や経験は今でも活かされていると思っています」
また、人との縁もMOON-Xを立ち上げる大きな後押しになったという。