紙巻たばこ日本撤退へ…フィリップ・モリスの新型「アイコス」大刷新の背景
2020年4月の改正健康増進法やコロナ禍での喫煙所の減少、2021年10月の増税など喫煙者を取り巻く環境は厳しい。
そんな中でも好調な成長を続けているのが加熱式たばこ。国内における加熱式たばこの先駆者として市場を切り拓いてきた製品のひとつが、フィリップ モリス ジャパン(以下PMJ)の「IQOS(アイコス)」だ。
PMJは2021年8月には最新モデル「IQOS ILUMA」シリーズ(最上位モデル「IQOS ILUMA PRIME」とスタンダードモデル「IQOS ILUMA」を発売した。日本のたばこ市場で約37.1%のシェア(2020年末現在)を有する同社でIQOSの立ち上げ初期からPRなどに携わる長谷川靖氏に、その取り組みや製品の魅力を聞いた。
IQOSユーザー、販売国は着実に増加
2014年、PMJは初の「IQOS」を名古屋とミラノで先行発売。IQOS専用たばこスティック「マールボロ ヒートスティック」と合わせて、2015年には12都道府県へ販売エリアを拡大し、2016年に全国での販売を開始した。
そして2018年には大きくデザインを刷新した「IQOS3」を、2019年には連続使用ができるモデル「IQOS 3 DUO」を発売。IQOSは現在70か国で展開されている。
「およそ1~2年おきにモデルチェンジを行い、その間にリミテッドエディション・限定モデルをリリースしてきました。加熱式たばこや電子たばこに対する規制は各国で違いますが、各国のルールとお客様のニーズを踏まえながら展開を進めており、販売国の数は確実に増えています」(長谷川氏、以下同)
加熱式たばこへの移行を推進
日本のたばこ市場の中で加熱式たばこカテゴリは「2021年上半期の時点で29%」(PMJ調べ)を占めており、全世界のIQOSユーザーは2040万人(2021年第3四半期1月~9月)で、1年前の2020年第3四半期の1640万人から400万人増えている。
ユーザー数でもシェアでも右肩上がりに推移しているようだ。
「喫煙を続ける意思のある成人喫煙者に向けて、我々は喫煙のリスクを低減できる可能性のある製品として、加熱式たばこへの移行を推進しています」と話す長谷川氏。