2年後「人気ランキング外」になるウエディング会場の共通点
久しぶりの結婚式で起こること
実際、この夏、ある会場で行われた結婚式・披露宴は、実に7か月ぶりだったそうです。長年の積み重ねがあるとは言え、7か月間ぶりの接客サービスとなれば緊張するはずです。すると、失敗したくないという意識が働くので、必要以上のことをしなくなります。笑顔をつくる余裕もなくなるかもしれません。
例えば挙式のリハーサルの時に、新郎が新婦のベールをあげる「ベールアップ」がうまくいかなかったとします。今までなら牧師先生やまわりのスタッフが「本番ではここが引っかからないように気をつけたほうがいいですよ」と一言アドバイスしてくれたはずですが、自分の役割に精一杯でそこまで気が回らない、なんていうことも出てくるのでは? と想像してしまいます。
ウエディング業界をはじめ、サービス業に従事する方向けの研修や講演でもよく話すのですが、ホスピタリティというのは「いらっしゃいませ。ここまで長旅でしたね」「今日は暑いですね」といった、“もうひと言”を添えられるかどうかなのです。この一言があったかは、ミシュランガイドやフォーブス・トラベルガイド・アワードのような格付けガイドでも評価基準になっているほどです。
そして、こうしたホスピタリティを実現するために大切なのが、お客さまに対する「共感力」です。これこそ「心のゆとり」がなければ生まれないもので、ウエディングのサービスに従事する上でとても大切なのです。
コロナ後、会場選びでしてみたい質問
これまでカップルがウエディング会場を選ぶ際の基準は、立地、会場の雰囲気、料理、スタッフの接客態度、費用などでしたが、この中でクオリティの差が出るのはスタッフ、サービス、雰囲気という目に見えない部分になります。
すぐには変わらないと思いますが、これまで人気ランキングの上位にいたウエディング会場が2年後、3年後にはランキング外になる可能性もあるかもしれません。その逆も然りです。
では、今後はどうやって式場を選べばいいかというと、やはり見学してみることだと思います。玄関で出迎えてくれたか、料理の試食会のサービスはスムーズだったか、スタッフの笑顔は自然だったかなど、ゲストの目線でチェックしてみるといいでしょう。
クチコミも最近のものは全部読んだほうがいいと思います。2020年2月以前の評価やクチコミは役に立ちません。思い切ってスタッフに「2020年3月以降、休業期間中はどのように過ごされていたんですか?」と聞いてしまうのも1つかもしれません。さすがに「自宅待機して家にこもっていました」とは言わないと思いますが、具体的に答えられるかどうかもジャッジの1つになります。