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若者に「親ガチャ」が流行語になるわけ。年収100万円の家庭で育った20代に聞いた

暮らし

 新型コロナは多くの失業者を出すなど、“貧困パンデミック”とでも言うべき状況が生まれている。若者たちも例外ではない、ニッポンの貧困のリアルを総力取材した。

親ガチャ

写真はイメージです

若者を中心に流行する「親ガチャ」問題とは

 子供は親を選べない。どんな家庭環境に生まれるかは運任せだ。それをカプセルトイやソーシャルゲームのくじ引き(通称・ガチャ)に例えた「親ガチャ」という言葉が、若者を中心に流行している。

 自身も「父親の年収が100万円」の貧困家庭で育った、20代のフリーライターのヒオカ氏@kusuboku35)に、若者たちの心境を聞いた。

「まず前提として、『親ガチャ』という言葉を使う若者は2パターンに分けられます。1つは、基本的に何不自由なく教育を受けられて、その中で親の経済力の差を競い合う若者たち。そしてもう一方は、豊かさを求める以前に、親の貧困や虐待、家族やきょうだいの介護を強いられるヤングケアラーなど、親から負の要素を受け継いで、スタート地点にすら立てない子供たちです」(ヒオカ氏、以下同)

「抑圧され続けると、無意識に諦める」

親ガチャ

フリーライター・ヒオカ氏

「後者は深刻で、大学は贅沢品だし、教養や知識を深めたくても、教育は課金制だから習い事もさせてもらえない。選択肢を奪われ続けるのです

 ネガティブな現実に触れ続けると、意思や気力を失い、思考停止状態になるという。

「私もそうでしたが、親から抑圧され続けると『希望を持つことすら許されないんだな』と、無意識に諦めるようになるんです。大きすぎる困難を背負わされると、この状況から抜け出したいとも思わなくなる」

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