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異変があると祈祷師が登場…新卒で変な会社に入ってしまった30歳の回顧録

コラム

なぜか電車に向かって目標を叫ばないといけない

 かなりワンマンな印象を受ける社長。矢野さんはそれでもなんとか耐えていましたが、どうしても嫌なことがあったそうです。

ボーナスが出たあと、線路が見える公園に行かされ、電車に向かって1年の目標を言う謎のイベントがあったんです。なぜ電車に向かってなのか、さっぱりわからなくて。社長はその様子を見ているのですが、電車の通過音でこちらの発言が聞こえているとは思えません。当然人の目もあるし、恥ずかしいです。

 それでも当時は、やれと言われてしまえば、やるしかありません。『社長のバカヤロー』と叫んでやろうかなと思ったのですが、聞かれていたらまずいし……。本当に嫌で嫌で仕方がなかったですよ」

今は本当に辞めて良かった

社長っぽい人

 それでも2年間勤務した矢野さんですが、現在は転職したそうです。

「嫌なことばかりでしたが、プログラミングを習得するまでは我慢して勤務していました。自分で開発ができるようになったところで見切りをつけ、他の会社に転職しました。今は前の会社が異常だったこともあり、ストレスなく勤務しています。

 同僚に祈祷師や電車への叫びを話すと、笑われますよ。本当に辞めて良かったと思います。ちなみに前の会社の同僚によると、今は社長が息子に代わって、以前のようなワンマンではなくなったそうです」

 良くも悪くもワンマン社長のもとで鍛えられた矢野さん。過ぎてしまえば良い経験なのかもしれませんが、それでも「辞めてよかった」と感じているようですね。

<TEXT/佐藤俊治 イラスト/カツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>

-[辞めてわかった、あの会社のヤバさ]-

複数媒体で執筆中のサラリーマンライター。ファミレスでも美味しい鰻を出すライターを目指している。得意分野は社会、スポーツ、将棋など

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