緊急搬送&激務で14キロ減…不遇の36歳会社員が「アラブの王子」と深い友情を築けたワケ
日本で見つけた快適な居場所
――現在は、日本のゲーム会社の社員として、アライアンス営業や商品開発をしているそうですね? 居心地はいかがですか?
鷹鳥屋:いまのゲーム会社は服装が自由なので、民族衣装のまま出社することもあります。「今日もいい色出しているね」と声をかけてもらえることもありますし、アルハラやパワハラもご法度の会社なのでお酒を飲まされることもなく快適です。
――日本で快適に過ごせるようになり、王子たちや中東とのかかわりに変化はありますか?
鷹鳥屋:コロナの影響もあって中東へはしばらく行っていませんが、王子たちとはSNS上でやり取りがあります。日本社会で働くことに関して居心地はよくなりましたが、王子たちや中東とは今後もかかわり続けたいですし、できるだけ正確な中東の姿を日本に伝え続けたいと思っています。
どこか違う場所で花咲くこともある
――鷹鳥屋さん自身は、お酒が飲めずに悩む日々から上手に抜け出せたと思いますが、いま実際に悩んでいる人たちはどのようにすればいいと思いますか?
鷹鳥屋:実は私、お酒が飲めないということから逃げ続けてきたんです。でも、それが悪いことだとは思っていません。結局のところ、自分の適性が活かせるところで戦うのがいちばんだと。
合わないことで心とカラダを削るのは大変だし、自分に向いているところは必ずあると思います。同じ会社でも、部署やチームによって適材適所。だから、たとえいま悩んで絶望していたとしても、どこか違う場所で花咲くこともあります。もちろん時には辛くても自分を変えるために向かい合わないといけない時もありますが。
だからガンガン逃げて、ふさぎ込まずに新しいモノを見たり新しいことにチャレンジしたりしてほしいです。時には逃げることも、全然恥じゃないと思います。
<取材・文/山内良子>
【鷹鳥屋明】
現在は日系企業でアライアンス営業や商品開発をおこなうサラリーマンであるとともに、中東関連の活動や事業なども数多くこなす。内容は、講演会の講師や中東の現地事情に関する連載、現地に密着したパッキングツアーのアテンドなど幅広い。著書に『私はアラブの王様たちとどのように付き合っているのか?』(星海社新書)
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