賃貸の更新料、できれば払いたくない…回避できるかをプロに聞いた
更新料を払わないとどうなる?
更新料を受け取る側にも言い分があることはわかりましたが、「できれば払いたくない」というのが正直なところ。もし更新料を払わなかったらどうなるのでしょうか?
「残念ながら、賃貸借契約書に『更新料』の記載があり、契約の時点で合意して署名捺印して入居しているので払わないとダメですね。後から『更新料を支払わない』と主張するのは、賃貸借契約の内容に違反してますから、貸主から立ち退きを迫られます」
最悪の場合、更新料を支払うよう訴訟されると警告します。その一方で強制的な立ち退きは容易でないのも事実のようです。
「『借地借家法』で賃借人は強く保護されてるので、『借主が更新料を支払わない』からといって立ち退きさせるのは至難の業です。ただ過去の判例では、『長期にわたる2回の更新料不払いが信頼関係の破壊にあたるとして、貸主からの賃貸借契約解除』が認めらているので、ゴネ得のようなことは起こりません」
更新料を払いたくない人は〇〇を狙え!
どうしても更新料を払いたくない人はどうすればいいのか? アドバイスを求めてみました。
「ポータルサイトで『更新料なし』にチェックをつけるなど、そもそも更新料が設定されていない物件を選ぶべきでしょう。あとはUR賃貸や東京都住宅供給公社が提供する公的賃貸住宅は、更新料がないのでそういった物件に狙いを絞るのもテです」
最初から「更新料なし」物件に絞って探すことを推奨しています。とはいえ、「更新料なし」にこだわりすぎて、希望に合致する物件が見つからないと本末転倒な気もします。
「更新料のありなしは、転出入など人口の傾向、エリアの人気度を表す部分もあると思います。転入超過や人気エリアなどの競争力が高い地域では、貸主は更新料を徴収できていますが、人口減、転出超過が続く地域では、たとえ契約書に更新料の記載があったとしても、貸主側から更新料の免除を申し出るケースもありました。更新料を理由に優良入居者に退去されると、次の入居者がなかなか見つからないという判断でしょう」